ウィーン料理の定番は
Wienerschnitzel(ウィンナーシュニッツェル)、
Zwiebelrostbraten (ツヴィーベルローストブラーテン)がの3つがよく最初に挙げられます。
やっぱり肉が多いのかなと思われるかもしれませんが、それ以外魚料理やベジタリアンなど他にも多くの地元料理が存在しています。
例えばEiernockerl (アイヤーノッケルル)のはこちらではベジタリアンに入る典型的な料理です。
今日は別の地元家庭料理にひとつを紹介します。

こちらはKümmelbraten(キュンメルブラーテン)と一般的に言われているものでてっとり早く言うと豚の角煮みたいなものですが、もちろん味は全く違います。
広義ではSchweinsbraten(シュバインツブラーテン)と呼ぶ場合もあります。
街中のレストランにはあまり見かけない料理ですが、ホイリゲなどに行くと必ずと言っていいほど提供されていて、家庭でも作られるポピュラーな料理です。
写真ではKnödel (クネーデル)が添えられています。
クネーデルは茹でたジャガイモやパンなどを生地にして団子状にしたものを指すことが多いですが、スライスされて提供される場合もあり、肉料理などの付け合わせによく登場します。
調理の仕方はそれぞれの家庭でも違うと思いますが、皮付きの豚のばら肉(Bauchfleisch) のかたまりに塩とKümmel を振り掛けて少し置き、皮の部分を上にしてニンニクと125ml程の水を入れた容器に入れ、最低160℃のオーブンで、60~90分焼きます。
肉の中央部分が80℃ぐらいに達するのが理想です。1時間後にもう一度125mlの水を入れ、250℃までオーブンの温度を上げて、少し塩を皮に振り掛けて、皮がカリカリになるまで焼きます。
長くてもその後15分ぐらいでしょうか。
大事なことは皮がカリカリになるということで、水を入れる時に入れすぎてはいけません。
この皮のことを"Schwarte"(シュヴァルテ)と言います。
ポーク・スクラッチングみたいな感じです。
地元ではこのカリカリのSchwarteが好きな方が多いですね。
出来上がったらスライスしてお皿に盛りつけます。
Kümmelはキャラウェイでちょっとスパイシーな香辛料として用いられる果実で、種のように見えます。噛むとそれとすぐにわかる独特の味を出します。
たまに食べたくなる地元の料理です。
ちなみにこの写真のKümmelbratenはウィーンのホイリゲのものです。