ウィーンのリンク道路沿いには様々な建築様式の荘厳な建物が多く並んでいますが、中でも市庁舎はこの時期ウィーンに来られた方は必ず訪れるでしょう。
建物が素晴らしいだけでなく、ヨーロッパでもっとも華やかとされるクリスマス市が開かれているからです。
フランドル風ゴシック建築の市庁舎は地元の人にとってはお役所でありながらも、生活の中での憩いの場でもあるんですね。
市庁舎の公園では常にくつろいでいる人を見かけますし、また年間を通してここではクリスマス市を始め様々なイヴェントが開かれます。
今日はおそらく地元の人でもあまり入る機会がない、しかし地元で有名なこの市庁舎の中にある"Festsaal"(フェストザール) をお見せします。
市庁舎は1883年にリンク道路時代の有名な建築家Friedrich Schmidtによって建てられました。
市庁舎の横から中に入ると美しい中庭空間に出ますが、そこまで行かずに建物の中の階段を上がって行くと2階(と言ってもかなり階段を上がって行きますが)にこの美しいFestsaal (フェストザール)があります。
19世紀終わりまでこのフェストザールはオーストリアで一番大きな空間でした。
ここに入ると内部建築の美しさに息を呑むばかりです。
市庁舎はゴシック様式ですが、内部空間ももちろんゴシック様式のアーチがふんだんに使われています。
この2階部分はヴェネツィア的ゴシックの幅の狭い窓が並んでいます。
ここには16のシャンデリアがありますが、これは建築家が自らデザインしたもので、ひとつの重さが260kgです。
当時からガスと電気の両方で機能するように注文されました。
ここでは1890年2月12日に最初の舞踏会が開かれましたが、今でもここで数種類の舞踏会が開かれています。Festsaalの大きさは長さ71m、幅20m、高さ18.5m、広さ1.450m²です。