今日はウィーンで一度は見たい図書館の話です。
図書館と言えば、ウィーン中心部の王宮にある世界で最も美しい図書館のひとつである国立図書館のPrunksaalを思い浮かべるでしょう。
ここは私も大好きな場所でバロックの宇宙空間に包まれた荘厳な図書館でウィーンに来たら見逃せません。
"バロックの都"と言われるウィーンを代表するような場所の一つです。
しかし今日紹介する図書館は荘厳なバロックの図書館とは対照的な現代建築です。
この洗練された空間を御覧下さい。
こちらはWUの図書館です。
WUとはWirtschaftsuniversitätの略でウィーン経済大学です。
WUは以前の場所からここに移転し、2013年10月4日に新Campusがオープンしました。
余談ですが私は以前ウィーンの19区に13年住んでいて、その近くにWUの旧Campusがあったので、毎日のようにこの側を通って地下鉄に乗っていました。
そのWUが移転してモダンなCampusに生まれ変わったわけです。
WUは2007年に移転を決定、2008年には国際的に建築家のコンペ、同年12月16日に決定しました。
総合プランを勝ち取ったのはブエノスアイレス生まれでオーストリア国籍の建築家Laura Patricia Spinadelさん、そして新Campusは6つの主要建物から成り立っていて、それぞれに6人の建築家が選ばれました。
その一つがこの図書館というわけです。
この図書館は世界的に知られている建築家Zaha Hadidさんによるものです。
この中に一歩足を踏み入れた瞬間に何て洗練された美しい空間だろう・・・国立図書館のPrunksaalに入った時とは違った息を呑む瞬間です。
宇宙ステーションのような印象を受けるのは私だけでしょうか。
別世界に引き込まれます。
ここで学ぶ学生さん達は羨ましいです。
余談ですがZahaさんと言えばこのWU新Campusがオープンする1年前の2012年に、2020年東京オリンピックを念頭に新国立競技場のコンペが開催され、46の案の中でZahaさんが最優秀賞に選ばれましたが、コストの大幅な膨らみから2015年に白紙に戻されたという出来事がありました。
でもこれはZahaさん側は競争性に乏しい早期の施工者入札と、事務所はデザイン監修者であることから建設業者とは協働禁止されていたことを主張、人件費高騰施工者の非協力的姿勢とコストの枠組みの不透明性なども指摘され、Zahaさんには非が無いとも言われています。
いずれにしても確かにコストはかかったようですが、もっと美しい新国立競技場が生まれていたでしょう。
WU新Campusは地下鉄2号線 (U2) のKurieauからアクセスするのがお勧めです。