オーストリアワイン

オーストリアワインは日本では残念なことにあまり知られていませんよね。

しかしオーストリアはヨーロッパで確実に3~5本指に入るワイン王国で、しかもヨーロッパで最も厳しいワインの国家規定を定めている国です。

それならなぜ日本では知られていないかと言えば、ホイリゲという新酒のワインが圧倒的に多く、瓶詰されているワインの量が非常に少ないからです。

オーストリアワインの本来の姿は瓶詰めされないホイリゲではなく、瓶詰されるワインです。

 

Gumpoldskirchen

オーストリア国内には44.210haの広大なぶどう畑が存在し、9つ全ての州でワイン生産が行われていますが以下の大きく3つの種類に分けられます。

①生産地が入らないワイン

②オーストリアを3つの地域に分けた生産地を入れられるLandwein

③17のワイン生産地域を入れられるワイン

 

オーストリアワインの本来の姿は③の17の生産地域がしっかり入ったワインです。

このクラスのワインにはコルク栓の部分にオーストリアの国旗の赤、白、赤が入ります。

17のワイン産業地域は、ウィーン、Niederösterreich、Steiermark、Burgenlandの4つの州が基本で、アルプスの標高が高くない地域を除いてワイン産業が営まれています。

それぞれの生産地域では白ワイン、赤ワインの割合が違いますが、オーストリア全体で見ると白が70%、赤が30%となっていて、圧倒的に白ワインが多く生産されています。

以下生産地と面積をまとめてみました。

 

地域の名称 面積(ha)
Wien
WIEN
588
Niederösterreich
WACHAU
1.285
  THERMENREGION
1.821
  KREMSTAL
2.242
  KAMPTAL
3.567
  TRAISENTAL
861
  WAGRAM (2006年までDONAULAND)

2.411

  WEINVIERTEL

13.730

  CARNUNTUM
812
Burgenland
NEUSIEDLERSEE
5.595
  LEITHABERG (Rustを含む)
2.955
  ROSALIA 228
  MITTELBURGENLAND
2.026
  EISENBERG
525
Steiermark

VULKANLAND STEIERMARK

1.657
  WESTSTEIERMARK 655
  SÜDSTEIERMARK 2.798

                                                         ※2024年10月時点


上記の代表的なワイン産業地域の他にオーストリアの他の州でも少ないですがワイン生産が行われていて"Weinbauregion Bergland"と称されます。

Weinbauregion Bergland生産地区 KÄRNTEN 125 ha
  OBERÖSTERREICH 91 ha
  SALZBURG 0.19 ha
  TIROL 16 ha
  VORARLBERG 10 ha

                               ※2024年10月時点


この17の地域の半分の8つがNiederöstereichにありますね。

特に質のいいワインが生産されるヴァッハウもこのNiederösterreichです。

ウィーンも17の地域のひとつであることも重要です。

 

また、同じドイツ語圏のドイツのワインと比較するとアルコール度が高いのが特徴です。

オーストリアワインはだいたい11%~14.5%ですからとてもボリュームあるワインが楽しめます。

 

次回はランクについて解説したいと思います。