すでに再度ウィーンから離れてだいぶ時間が経ってしまいましたが、クリムトの作品をひとつ覚え書きを兼ねて掲載したいと思います。
クリムトと言えばベルヴェデーレ宮殿ですね。
このオーストリアギャラリーは世界で最も多くのクリムトの作品を所有しています。
ここは年々訪問者の数も増えていき、クリムトコーナーはいつもかなりの賑わいになっています。
そう言えば先日偶然にもここからの美しい眺めを話題にしていました。
今日のタイトルにも見られるようにこちらがアデーレ・ブロッホバウアー2です。
2があるということは1もあります。
No.1は圧倒的知名度を誇る"接吻"とほぼ同時期の1907年に描かれたクリムト黄金期の代表作品のひとつですが、このNo.2はそれより5年後に描かれたものです。
No.1もNo.2もこのベルヴェデーレ宮殿に展示されていて、私も数え切れない程案内しました。
案内しました...そうです、でも今は展示されていません....それどころか2006年2月14日に他の3枚の風景画を含めた計5枚がオーストリアから離れてしまったわけです。
オーストリア政府とブロッホ=バウアーの姪マリア・アルトマンおよびその共同相続人との間に起こった2006年までの長い法廷争いがあったからです。
あれから17年...そのアデーレ・ブロッホバウアーNo.2がメンテナンスと修復のために里帰りしていて、ベルヴェデーレ宮殿の上宮に2023年11月9日~2024年2月11日まで、ここが本来の自分の家のように展示されていたんです。
この時期にオーストリアギャラリーに行かれた方は本当にラッキーでした。
私も17年ぶりに仕事でこの絵を案内し、個人的にも数回訪れました。
案内していてまるで昨日もここに展示されていたような感覚になりました。