クリスマスが過ぎて年末にウィーンに来られるお客様から「クリスマスが過ぎてもまだクリスマスツリーが出ているんですね」とよく聞かれます。
カレンダーでクリスマスは終わっても、年が明けた1月6日まではクリスマスの習慣が続きます。
それまではクリスマスツリー🎄は飾っておき、一緒に年を越して行くわけですね。
そのため街中は年末から新年に向かう活気とクリスマスの混ざったこの時期ならではの空気を感じられます。
さて先日のウィーン街中のクリスマスイルミネーション、ウィーン街中のクリスマスイルミネーション2と好ウィーン街中のクリスマスイルミネーション3を掲載しましたが、クリスマスの空気が終わらないうちに今日はその4です。
こちらはイルミネーションだけ見ているとグラーベンを思わせるのですが、街並みがグラーベンとは違いますし、通りも細いですね。
ここはウィーン旧市街にあるTrattnerhofです。
グラーベン29,29A番地にはこの通りと同名のTrattnerhofという歴史ある建物があります。
この写真で見ると左側が29番地、右側が29A番地でこの2つの建物がTrattnerhofで、同じ名前の幅10mの通りがこの建物を分けています。
元々ここは1つの大きな建物でしたが、1910年に以前のTrattnerhofが所有者が変わったため取り壊されて、新たに2つの建物が別々に建てられました。
この時に以前のようなひとつの大きな建物にするはずでしたが、1912年に建築途中でプランが変更となり、実現しませんでした。
余談ですが取り壊される以前のTrattnerhofには1784年の初めからその年の9月29日までモーツァルトが3階(日本で言うと4階)に住んでいて、四旬節には3回のコンサートを行っています。
また、モーツァルトの長男カール・トーマスもここで生まれています。
ここのイルミネーションはグラーベンのイルミネーションのミニチュア版みたいな感じですね。
こちらはグラーベンから伸びているTuchlaubenです。
Tuchlaubenは地元で有名な通りですが、グラーベンから奥に伸びた観光客のざわめきはあまり感じない場所です。
この地域は何年も前からウィーン旧市街の新たなショッピング地区として高級店が並ぶようになり、Am Hof 方面に行けば有名なエンゲル薬局があります。
ここのクリスマスイルミネーションは流れる川のように通りに沿って縦に施され、一定間隔でいくつものクリスマス装飾が見られ、円形のイルミネーションが交互に取り付けられています。
ある程度の距離までは途中で途切れることがない繋がったイルミネーションのスタイルは他では見られません。
Tuchは生地という意味でで、ここは12世紀の半ば1153年に生地屋さんがあったことから来ています。
その後いくつかの部分で様々な呼び名になり、1862年以来、全ての通りが現在のようにTuchlaubenとなっています。