カレンダーではクリスマスが終わり、もうすぐ大晦日、2023年が終わろうとしています。
クリスマス習慣は1月6日までは続くのでクリスマスツリー🎄はまだ飾られていて、クリスマスツリーも一緒に年を越します。
日本の場合はお正月が重要ですから、クリスマスツリーと一緒に新年を迎えるというのはあまりピンと来ないのではないでしょうか。
こちらではクリスマスが年間を通して生活の中では一番重要で、新年はあくまでも "けじめ"のような感覚なので、あまり重要ではありません。
そういうわけで街を歩けばまだまだクリスマスを感じることができます。
ところで12月24日のクリスマス・イブはこちらでは一般的にどのように過ごすのでしょう?
12月25日がクリスマス当日で、その前日24日がクリスマスの前夜祭的な意識を多くの人が持っているのではないでしょうか。
実はそうではありません。
キリスト教はユダヤ教から派生したもので、ユダヤ教ではユダヤ歴が使われ、そこから教会歴も生まれ、そこでは1日の始まりは日没です。
ということは12月24日の日没からクリスマスが始まるわけなんですね。
だから12月25日よりも12月24日の方が重きを持って祝われるわけです。
12月24日は地元ではたいてい家族と共に過ごすクリスマスで、遠くに住んでいる人もこの時期には帰ってきて、家族皆でクリスマスを過ごします。
クリスマスの空気で盛り上がっていた街は12月24日の昼を過ぎると静かになっていきます。
皆さんが家庭でいわゆるクリスマスパーティーを行いますが、実際には"クリスマスパーティー"という名称はあまり聞かれません。
アドヴェント時期に会社などで開かれる時はクリスマスパーティーという人もいますが、クリスマス・イブの時にはこの表現はあまり使われません。
家族皆が集まり会話をしながら、プンシュを飲み、夕食をし、そしてプレゼント交換を楽しむわけです。
家族がそれぞれ持ち寄ったプレゼントは、クリスマスツリーの下に置かれるという習慣になっています。
そのためツリーの下にはたくさんのプレゼントがChristkindによってもたらされたというわけです。
そうです・・・こちらではサンタクロースは登場せずに"Christkind"がやって来ます。
小さい子供がいる家庭ではChristkindが実際にプレゼントを持って来るということを信じさせて、夢を持たせて演出します。
子供達は時が来るのをそわそわして待つわけです。早くプレゼントをもらいたいですからね。
夕食は何を食べるかというと・・・
魚を食べる習慣が多く見られます。
その中でも鯉なども多く食べられ、また鱒やカマスなどを食べる人も多いでしょうか。
フライで食べる人もいれば、ソテーにして食べる人もいると思います。
これは「魚」がキリストのシンボルとして古来から使われてきた・・・ということも理由のひとつです。
うちは毎年お寿司を食べる習慣です。
ちなみにチキンを食べることは外から住み着いた人は別として地元人であまりないでしょうか。
当時アメリカに移民したオランダ人達は、慣れない土地で、今までのように家畜を飼うことは最初は難しかったようです。
そこでチキンを食べることから、始まったとされています。
夕食が終わると、いよいよBescherung(ベシェールング)といわれるプレゼント交換です。
先にBescherungをして夕食に入る人もいるでしょう。
この時に歌われるものが、クリスマスイブに紹介した「きよしこの夜」です。
この曲は地元の人にとっては、特別な曲であり、一般的なクリスマスソングとしては区別されていて、クリスマス時期にひっきりなし聞かれるわけではありません。
この曲はこのプレゼント交換の前だけにこの歌を歌う地元の人が多いと思います。
できればギターの伴奏で歌うべきとされています。
それはオリジナルがギターの伴奏で演奏されたからですね。
この曲が歌われる時はかなり敬虔な雰囲気になりますね。
冗談を言い合うような雰囲気ではなく、かなりセレモニー的な空気になります。
歌い終わって、皆さんと「Frohe Weihnachten!」(フローエ・ヴァイナハテン・・・クリスマスおめでとう)と言いながら、共に抱き合います。
その後、お互いにプレゼントをその場で開いて皆さんで楽しむわけです。
その後は年間を通してこの時だけは夜の教会のミサに行く人も多いと思います。
これは日本で言う初詣のような感覚に近いですね。
12月25日、26日はお休みです。
私は今まで多くのオーストリアでのクリスマス・イブを経験しました。
それぞれの家庭の習慣によると思いますが、一般的にこのような流れでクリスマス・イブが過ごされていると思います。