ウィーンはヨーロッパで一番長く続いたハプスブルグ王朝の居城があり、かつての"帝国の都"を今でも偲ぶことができます。
ハプスブルグ帝国時代は多民族国家であり、日本では考えることができない10以上の言語を持った民族から成り立っていました。
そのため帝国が解体し、オーストリア共和国となってもその首都ウィーンには今でも多くの外国人が住んでいます。
それ以外にも難民の申請もあり、審査の結果が出るまではオーストリアのどこかに滞在することになります。
難民として認められなければ強制送還ですが、難民以外でも滞在許可等の問題などで強制送還される人も多くいるようです。
今日は今年2023年度上半期にどこの国へどのくらい強制送還をされているかのデータを紹介します。
右の表を御覧下さい。
こちらはオーストリア内務大臣が先日発表した2023年度上半期のAbschiebestatistik(国外追放の統計)です。
合計で5.872人がオーストリア国外に追放されていますが、その内右の表に見られる2.178人が強制送還されています。
どこの国へどのくらい強制送還されているかということなのですが、ランクされた国を見ると意外なことに難民が多く来る国ではなく、かつての共産圏・・・旧東欧諸国が多いことがわかります。
スロヴァキアがトップで605人も強制送還されています。
1. スロヴァキア | 605 |
2. ルーマニア |
263 |
3. ハンガリー | 238 |
4. ポーランド |
175 |
5. セルビア |
164 |
6. チェコ |
101 |
7. ブルガリア |
75 |
8. インド |
63 |
9. ナイジェリア |
54 |
10. ジョージア |
52 |
11.その他 | 388 |
合計 | 2.178 |
スロヴァキアの首都ブラティスラヴァはウィーンからたったの65kmですし、旧共産圏と言えども今はEUにも入っていて、通貨もユーロが導入されていますね。
日本からの団体ツアーでもかなり頻繁にブラティスラヴァに寄って行きますね。
2位がルーマニア、3位がハンガリーです。
ウィーンを歩くとルーマニア人が増えていることは実感出来ます。
オーストリア政府のBMI (Bundesministerium für Inneres)によると、強制送還される45%はヨーロッパ諸国ということです。
これは滞在許可などが下りなかったり、こちらで事業が認められなかったりなど色々な要因があると思います。
旧東欧圏はEUに入っている国が多くなっても、オーストリアと比べればまだまだ物価的には安いので、収入も違います。