オーストリアは小国でもありながらそれなりの経済大国です。
一見、観光立国的なイメージがあると思いますが、実は色々な産業があります。
物価もヨーロッパでは高い方で、税金の天引き率はヨーロッパでは6番目、食料品はデンマークの次の2番目、人件費はベルギーの次に高いという国の統計があります。(コロナからは変わっているかもしれません)
また、私のように事業主だとUmsatzsteuer(売上税)とEinkommensteuer(所得税)の2つが課せられています。
Umsatzsteuerは20%と決められています。
例えば私に観光を申し込まれた場合は料金には20%の売り上げ税が含まれています。
Einkommensteuerは売り上げから必要経費を引いて実際の収入がどのくらいか(こちらではGewinnとよく言われますがどのくらいプラスになったか)によって課せられます。
そのEinkommensteuerの税率を見てみましょう。
右の表は売上全体から全ての経費を引いて実際にプラスとして残った収入(前述したようにGewinnと言います)に対して、どのくらいの所得税率が定められているかを示しています。
オーストリアでは年間Gewinnが11.693ユーロ以下であれば所得税はかかりません。
所得 (Gewinn) |
割合 |
11.693ユーロまで | 0% |
11.693~19.134ユーロまで | 20% |
19.134~32.075ユーロまで |
30% |
32.075~62.080ユーロまで | 41% |
62.080~93.120ユーロまで | 48% |
93.120~1.000.000ユーロまで | 50% |
1.000.000ユーロ以上 | 55% |
この数字のボーダーライン付近の稼ぎがある人は、どのくらいのGewinnになるかある程度計算して仕事をしている人がたくさんいます。
例えばGewinnが19.000ユーロであれば20%の所得税ですから3.800ユーロの納税ですね。
しかし、19.135ユーロのGewinnとなると次のランクである30%となるので5.740ユーロに跳ね上がるわけです。135ユーロ多く稼いだだけで、税金が1.940ユーロも増えるわけです。
これなら計算して仕事をしない方が得ということになります。
ちなみにオーストリアでは年間11.000ユーロの所得を超える場合や、他からの収入が730ユーロ以上あって年間12.000ユーロ以上の場合はSteuererklärung(いわゆる確定申告)をする義務があります。
税金はなるべく払いたくないのが本音ですから、ボーダーラインには注意をしたいですね。