ウィーンの王宮は、それぞれの時代に様々な増改築が繰り返されてとても複雑な建築様式から成り立っているわけですが、その王宮の一角にオーストリア国立図書館に属する「Prunksaal」(プルンクザール)という、世界でも最も美しい図書館のひとつがあることで有名です。
Prunkは、豪華、華麗という意味のドイツ語です。
去年の秋から改修工事をしていてクローズになっていて、ちょうどその時期にウィーンに来られた方で、ここを訪れたい方は結構いらっしゃいました。
今年の1月1日より再びオープンしています。
このプルンクザールは、有名な建築家フィッシャー・フォン・エアラッハのプランにより、その息子のヨーゼフ・エマヌエルによって1723~1726年に作られ、皇帝図書館の最も重要な空間です。
マリア・テレジア女帝の父、カール6世がスペイン継承戦争とオスマントルコ戦争後に作らせました。
ちなみにカール6世はオーストリアバロック時代の全盛期の皇帝で、カールス教会も彼が作らせた重要な建築です。
このプルンクザールのプランは、カール6世の父皇帝レオポルド1世の時代17世紀からすでにありました。
この空間に入った瞬間に時が止まり、驚きの18世紀バロックの宇宙空間が広がります。
全体的に長方形で、中心にバロック特有の楕円ドームが置かれ、素晴らしいフレスコ画が施されています。
その空間の中央にカール6世の像が置かれています。
長さ77.7m,幅14,2m,高さ19.6m,楕円空間部分は18m×29.2m,高さ29.2mです。
この豪華図書館の左右にはいわゆる本棚があり、1730年から19世紀に至るまでの手書きや印刷された本や地図、楽譜、貿易書、グラフィックなどの王宮図書館に所有されている書物や地球儀が置かれています。
約200.000冊の蔵書で、その中には約15.000冊のプリンツ・オイゲンが所有していた蔵書もあります。
いつ見ても素晴らしい楕円空間の天井フレスコ画です。
このフレスコ画はダニエル・グランによって1730年に完成しています。
このプルンクザールの入口は王宮のヨーゼフ広場に面した所で、若干分かりにくいかもしれません。
入ると右側に入場券売り場があり、左側の階段を上り日本式の2階にあります。
ここはオペラ座からもすぐそばですし、絶対にお勧めしたいスポットのひとつです。