ラインツ動物公園を散歩

ウィーンは"森の都"と言われているぐらい緑が多い街で、街の至る所に緑が見られます。

中心のリンク道路の並木やたくさんの公園を始め、外側にもシェーンブルン宮殿やプラター公園などの大きな緑・・・そしてその豊かな緑を囲むもっと大きな緑がウィーンの森です。多くの観光客が訪れるウィーンの森は北と南ということになりますが、西には地元で親しまれているラインツ動物公園があります。

ここは公共交通機関こそ通ってはいてもウィーンの西の外れにあるためかなり行きづらい所にあります。

うちは年間を通して数回ぐらいここに散歩しに来るでしょうか。

 


 

ラインツ動物公園(Lainzer Tiergarten)はウィーンの森西側入り口にある広大な緑で、ウィーン市MA49が管理している自然保護地域です。

広さは24.5km²もありその内23.6km²はウィーン市に入り、残りはNiederösterreichに入ります。

全体の19.45km²は森林地帯で、一周22kmもある壁に囲まれています。

言ってみればウィーンの森の西の始まりです。

 

この日は大気の状態が不安定で自分がいるこの場所はまだ晴れてましたが、明らかに雨雲が漂っていました。

 


 

ラインツ動物公園には6つの入口があり、その内4か所は入口近くに駐車場が完備されています。

定番はLainzer Tor という入口で、市バスの停留所が入口の目の前にあります。

うちがここに来る時にはたいていこのLainzer Torで車を停めて入って行きます

 

散策を始めて比較的早く予想通り強い雨が降り始めました。

すでに雲の動きが読めたのですぐにヘルメスヴィラ方面へ向かって行ったので、タイミングよくそこで雨宿りをすることになりました。

左上の写真では青空と雨雲がハッキリ見えています。

右上の建物がヘルメスヴィラです。

多くの地元の人がここにいましたね。

ここにはレストランもあります。

 

 


 

15分ほどで雨は止み、再び青空が広がり始めました。

この地域の歴史はローマ時代まで遡り、紀元前2世紀のセラミックのかけらなども発見されています。

その後の11世紀~13世紀の中世の物も多く見つかっています。

ここを含めたウィーンの森は、ハプスブルグ家以前のバーベンベルク王朝時代の11世紀には狩猟地域として使われていました。

皇帝フェルディナント1世がここを入手し、1561年に木製の柵を作らせています。

そこから帝国が崩壊するまではハプスブルグ家の土地でした。

皇帝カール6世の時にはヨーロッパでの一番優雅な野生公園として知られていました。

マリア・テレジアの時代にここが色々な事情で多く荒らされていったので、例えばイノシシなどはちゃんと囲いの中で飼育するようにと決められ、ヨーゼフ2世の時代に前述したここを囲む有名な壁が築かれることになります。

 


 

とにかくここは広大なウィーンの森の西の始まりであり、散策路も整備されていてとても歩きやすくなっています。

シカなどの動物達も放し飼いされていて、植物の説明なども随所に置かれ、子供の遊び場もあって十分楽しむことができます。

 

ウィーンの滞在に余裕がある方は是非ラインツ動物公園に足を延ばしてみて下さい。

とてもウィーン市内とは思えませんよ。

 

 

 

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