オーストリアで最も多くの方が訪れる世界遺産シェーンブルン宮殿は、やはり宮殿内部見学は絶対にして頂きたいですね。
それ以外にこのシェーンブルン宮殿は庭園もとても充実していて、ここでまる一日過ごすこともできます。
シェーンブルン宮殿のシンボル的な存在であるグロリエッテからの目の覚めるような風景、地元の人達で賑わう世界最古の動物園、のんびりした美しい庭園内の散策コース、シェーンブルンの言われとなった美しい泉など、見どころが多く、地元ではこの庭園内でのんびりする方が多いですし、ジョギングやノルディックウォーキングをする方も大変多いです。
以前ウィーンの別の場所の知られていないミニ日本庭園を紹介しましたが、
今日はそのシェーンブルン宮殿の庭園内にある日本庭園をお届けします。
シェーンブルン宮殿の美しい庭園の一角に、ぽつんと佇んだように置かれている日本庭園は宮殿からは少し遠い所にあります。
もちろん宮殿からでも歩いて行けますが、わかりやすいのは宮殿の正門ではなくHietzingtorから入り、温室を左手に見ながら動物園の入口まで行くと、その動物園の券売り場のすぐそばにこの日本庭園を見ることができます。
この日本庭園は1913年に、去年2014年が100周年であったサラエボの銃弾事件で倒れることになるフランツ・フェルディナント大公によって造営されたものとされています。
フランツ・フェルディナント大公はフランツ・ヨーゼフ1世の甥で日本にも来たことがあり、帰国後オーストリアの庭師にそれらしく見えるように作らせたようです。
帝国崩壊後、ここはアルプス庭園などと地元では呼ばれてきましたが、そのまま知られずに時が経ち、荒廃していきました。
その後、1996年に新たにここが見いだされ、調査が行われて日本庭園であったことが判明しました。
その後、荒廃していたこの庭園が日本ガルテン協会の御蔭もありここが1999年に再生されることとなりました。
日本の伝統的技術で再現するのではなく、1913年の写真などを資料としてなるべく当時の庭園に近づけるようにしたそうです。
この庭園は既存部分、その両側に枯山水様式と茶庭様式と3つの部分から成り立っています。
枯山水庭園にはオーストリアと日本の友好を深める意味がこめられています。
3つの異なる庭園は様式的に異なっていても、全部がつながっていて、一体感を演出しています。
1枚目の写真は既存の部分、2枚目は茶庭、こちらの写真が枯山水です。
ここに佇んでいると、ウィーンにいることを一瞬忘れます。
この日本庭園はちょっと行きづらい所にありますが、日本人として興味深いのではないでしょうか。