ウィーンの国立オペラ座は重要な歴史的建造物であると同時に、ウィーンの中心部の位置関係を把握する上で観光の目安にもなる建物です。年間約300回の公演数で、同じ演目が2日とは続かない想像を絶する状況で運営されています。
ガイドツアーが定期的に行われていますが、毎回とても混んでいて一般のガイドツアー以外でも特別予約をして見学するグループもたくさんあります・・・というのはコロナ以前の話ですが、紆余曲折しながらその都度ガイドツアーは行われていました。
現在でも4月16日以降の規制緩和に伴って、まだ以前ほどの数ではありませんがほぼ毎日ガイドツアーがあります。
私も国立オペラ座は頻繁に御案内しています。
ちなみに国立オペラ座はガイドツアーでしか見学できませんが、オーストリア国家公認ガイドと観光する場合、国立オペラ座がガイドツアーを提供している時間帯であればガイドと個人的に見学することができます。
ここはオペラに興味が無い方でも内部見学する価値は十分にあると思います。
さて、今日は国立オペラ座のめったに見ることができない光景をお届けします。
こちらは国立オペラ座客席空間にある天井のシャンデリアです。
このシャンデリアはとても印象的で、たくさんのクリスタルガラスから成り立っていることがわかります。
一見するとシンプルに見えるのですが、実際に国立オペラ座の客席から観察するととても輝いていて、豪華であることがわかります。
国立オペラ座にはスポットライトはいくつもありますが、天井にあるのはこの大きなシャンデリアだけです。
これはロブマイヤー製で、重さ3.000kg、1.100個の電球があります。
このシャンデリアは定期的に人間の手によって掃除されています。
でも梯子か何かが設置されて磨かれるわけでもなく、何かの棒のような器具を使って下から掃除されているわけでもなく、シャンデリアは天井に固定されたままです。
シャンデリアの中央部分がエレベーターになっていて、その部分が下に降りてきます。
そしてプールの飛び込み台のような所に係が立ってこのクリスタルを掃除するわけですね。
この人が立つ飛び込み台部分はもちろん360度回転します。
写真はまさにその最中で、2人の係がそれぞれ布のようなものを持って掃除ていることがわかります。
この光景は基本的に国立オペラ座のシーズンオフ・・・つまり休暇シーズンである7月~8月の限られた時しか見ることができません。