今週は初夏のようなウィーンです。
週末は不安定だった天気も、月曜から青空が広がり23℃ぐらいと気温も上がり、昨日はさらに気温が高く今日、明日は28℃ぐらいと初夏ではなく夏ですね。
この時期のウィーンは日も長く、開放感が漂い色々な花が街中に見られて素敵です。
前回はシェーンブルン宮殿そばのマロニエや、そのシェーンブルン宮殿のフジのアーチを紹介しましたが、今日はそのシェーンブルン宮殿に毎年咲くまた別の印象的な花をお届けします。
これらはシェーンブルン宮殿に限らず、もちろんウィーンの街中でも多く見られます。
こちらはドイツ語では、
Rotdorn (ロートドルン)、
学名でCrataegus laevigata ‚Paul’s Scarlet‘ + Punicea + Punicea Flore Pleno、
日本語ではセイヨウサンザシとかアカバナサンザシと呼んでいいと思います。
バラ科のサンザシ属です。
ヨーロッパから北アフリカにかけての標高1000mぐらいまでの所に見られ、ローム土壌(粘土質の高い土壌)を好みます。
セイヨウサンザシはかなり深く根づき、低木もあれば、10mぐらいまでの高い木もあります。
こちらは毎年綺麗に花を咲かせるシェーンブルン宮殿のアカバナサンザシです。
メインの入り口から入ると、宮殿を正面に見て、左右に多く植えられていて、ピンクの濃い綺麗な色の花を咲かせます。
これが咲いている時期にシェーンブルン宮殿に来ると、必ず「あの花はなんですか」という御質問が来ます。
シェーンブルン宮殿の黄色、空の青、そしてこのアカバナサンザシの濃いピンクのまさに色の3原色はヴェネツィア派の絵画を思わせ、年間を通してこの時期にしか見ることができないものです。
2022年5月4日11:50頃の撮影です。
開花時期は通常5~6月で、一重咲き、八重咲きで、濃いピンク色ですが、桃色、紅色もあります。
小さいピンク色の花がまとまっていくつも咲いていて、そのかたまりがたくさんあります。
拡大した写真を見るとそのかたまりはアジサイのような雰囲気ですが、アジサイよりも遥かに小さく、それぞれの花が細かいです。
アカバナサンザシの多くはこちらでは観賞用として人気があり、散歩をしていると庭や公園に多く植えられているのがわかります。
写真はうちの庭に咲いているもので、最初とこちらの2枚は2022年5月9日15:15頃に撮影したものです。
うちのアカバナサンザシは年々、花が多くなっていて、背丈もかなり高くなっていて、2階の窓を越えて生育しています。
参考までにこちらは白い花のサンザシです。
Weißdorn (Crataegus laevigata) 、ドイツ語でヴァイスドルンです。
自然の中ではこの白いサンザシが圧倒的に多く見られます。
2022年5月7日15:40頃、マルヒフェルト運河での撮影です。