今日4月17日はOSTERN(オステルン)・・・いわゆる復活祭です。
毎年復活祭は天気が良くなかった気がしますが、今年は現時点で青空が広がっています。
しかし気温は上がらず朝7:00の時点で3℃、2月や3月の方が気温が高く、日中も13℃ぐらいまでしか上がらないようなので肌寒い1日になりそうです。
イエス・キリストが復活したことを祝うことから「復活祭」と呼ばれていますが、ドイツ語では"OSTERN"(オステルン)と言います。
このOSTERNがイエス・キリストの復活を祝うことから日本語では"復活祭"と訳されているだけなので、厳密には正しい訳ではありません。
イエス・キリストが復活することをドイツ語ではAuferstehung(アウフエアシュテーウング)という言葉が使われます。
謝肉祭が終わり四旬節に入ると、復活祭を思わせるデコレーションが街中にいっぱい登場します。
今年は3年ぶりでシェーンブルン宮殿の復活祭市やFreyungの復活祭市もオープンしています。
4月11日からの週はOsterferien(オスターフェーリエン)・・・イースター休暇なので学校もお休みですから家族連れで出かける方が多いでしょう。
クリスマスの時にはChristkind(クリストキント)がプレゼントを持って来るわけですが、復活祭の時はシンボルのひとつであるOsterhase(オスターハーゼ)・・・復活祭のうさぎがたまごと同様に子供達にプレゼントを持って来る習慣があります。
生活の中では年間を通してクリスマスが一番重要な行事だと思いますが、宗教的には復活祭が一番重要です。
復活祭は移動祝日で今年2022年は4月17日ですが、去年2021年は4月4日でした。
キリストが復活したのが日曜日ですから、復活祭は必ず日曜日になります。
カトリックでは春分の日を3月21日と固定していて、「春分の日を過ぎて、最初の満月を迎えた後の最初の日曜日」と決められています。
もし満月と日曜日が一致した場合は、その次の日曜日が復活祭で、春分の日当日が満月で、なおかつ日曜日である場合は、次の満月に続く日曜日です。
そのためカトリックでは3月22日~4月25日に復活祭がやって来ますから、今年はカレンダーでは少し遅めいうことになりますが、季節的にはちょうどいいです。
ちなみに東方正教会はユリウス暦で3月21日を春分の日と定めているため、カトリックのグレゴリオ暦と比べると13日のずれがあるため、4月4日~5月8日になります。
東方正教会では復活大祭と呼ばれています。
これは325年のニケーアの公会議で定められた設定基準です。
<"OSTERN"の語源は?>
ドイツ語で「OSTERN」、英語では「Easter/イースター」,これはゲルマン神話の春の女神(あけぼのの女神)「エオストレ(Eostre)」の名前、あるいはゲルマン人の用いた春の月名「エオストレモナート(Eostremonat)」に由来していると言われています。
8世紀にはゲルマン人が「エオストレモナート」に春の到来を祝う祭りを行っていたことの記録があります。
実際、復活祭の習慣の中には、このゲルマン人の祭りに由来すると思われるものもあります。
英語とドイツ語以外のヨーロッパ諸言語における「復活祭」という言葉は、全てギリシャ語の「パスハ(Πάσχα)」に由来していて、その言葉も元を辿ればアラム語の「パスハ(pascha)」で、これはユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」を表す「ぺサハ」(PESACH)」というヘブライ語から来ています。
つまり、キリスト教の復活祭がユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」から派生した祝い日であることを示しています。
復活祭前の週を、Karwoche (カルヴォッヘ)と呼ばれ、受難週です。
特に木曜日から土曜日までをそれぞれ、Gründonnerstag、Karfreitag、Karsamstagと呼ばれています。
Gründonnerstag(直訳すると緑の木曜日ですが日本語では聖木曜日)が最後の晩餐の日となります。
前述したようにOSTERNは復活祭という意味ではありませんが、キリスト復活を祝うことに使われます。
ウィーンで生活をしているとこの時期街中を歩いても教会に行かない限りキリスト復活を意識する空気はほとんど感じられません。
むしろ春の訪れを祝っている空気の方が強く感じられます。