今年もコロナ禍での大晦日になりました。
去年は12月26日から再ロックダウンに入ったため、かなり静かな大晦日だったのですが、今年はロックダウンこそあったもののクリスマス市もオープンし、クリスマス後も街中にはプンシュスタンドなども出され、かなり賑やかな年末の空気です。
しかし毎年恒例のSilvesterpfad(カウントダウンのスポットがいくつも設けられる)は設置されていません。
大晦日が近づくにつれて爆竹の音や花火の音が聞かれ、年が暮れていく時の流れを感じることができます。
この花火もしかし年々減ってきている傾向にありますね。
去年はロックダウン中ではあっても、夜23:30頃から年が明けた1時ぐらいまではかなり花火が見られました。
クリスマスの習慣は1月6日までは残しますからクリスマスツリー🎄だって飾られていて、街中のイルミネーションだってそのままです。
一般的にクリスマスから年末、年始を挟んで1月6日まで休暇を取る人が多いです。
クリスマス休暇ですね。
学校もお休みです。
さて、今年最後のこのコーナーではこのサイトの伝統として大晦日によくこちらで行われる習慣を御紹介しましょう。
右の写真を御覧下さい。
いくつかの鉛でできた形とお皿のようなスプーンが見えています。
これは"Bleigießen"(ブライギーセン)、"Bleiguß"(ブライグス)とか"Silvesterguß"(ズィルヴェスターグス)とも呼ばれています。
"Blei"は鉛、"Guß"は注ぐ、流し込み、なんて意味があります。
鉛を熱して溶かして、すぐに冷たい水の中に入れます。
これは一種の神託占いで、こちらでは大晦日にこれをやる習慣があります。
鉛でできた気に入った形をひとつ選びそれをこのスプーンの上に置き、ロウソクの炎の上にスプーンを持って行って鉛の形を溶かします。
熱くなってくるとすぐに鉛が溶けて液状になります。
液状になったらすぐに事前に用意した冷たい水の中に投げ込みます。
すると、一瞬にして鉛が固まり、非常に個性ある形を形成します。
その形をよく見て、どんなものに似ているか判断し、それによって様々な説明があります。
一種のおみくじのようなものです。
うちは毎年大晦日にこれをやってます。
実際に水の中で固まった鉛は、とても個性的なそして複雑な形になるので、それがどの形に近いかという判断が意外と難しいです。
Wikipediaに写真があるので御覧下さい↓
https://de.wikipedia.org/wiki/Bleigie%C3%9Fen
この習慣は古代ローマ時代から存在していたようです。
神託占いといっても現在では決して深刻なものではなく、この大晦日の習慣として楽しみながら行われます。
※2018年4月よりEUの規定で鉛で行うBleigießenは禁止になりましたが、この習慣がなくなることは無く、鉛の代わりにワックスや錫で形が作られています。
なのでBleifreier・・・という名称です。
それでは皆様、良い年をお迎え下さい。
来年も「ウィーンの街を公認ガイドと歩いてみませんか」を引き続きよろしくお願い致します。