秋の青空が毎日続いているウィーンです。
朝方は一桁の気温で冬並みですが、日中は12℃前後でそれなりに気持ちいい日が続いています。
でも今週の水曜日と木曜日の午前中は雨が降っていましたね。
冬時間になりより日が短く感じますが、それと同時にクリスマスの空気が街中に漂い始めます。
さて、今日はウィーンのシュテファン大聖堂の前にKaiserschmarren(カイザーシュマレン)のスタンドをお届けします。
Kaiserschmarren (カイザーシュマレン)は地元では誰もが知っている有名なものでありながら、ウィーンに観光で来る方はこの存在すら知らずに帰ることも多いのではないかと思います。
ボリュームがあるのでデザートではなくてメインで登場する場合もあります。
見た感じはホットケーキをぶつ切りしたようなものですが、パンケーキの中では洗練されたデザートのひとつということになっています。
小麦粉、牛乳、卵、砂糖、塩からの生地をフライパンで中くらいの強さでバターと焼き、下側が固くなったらスプーンなどでぶつ切りにします。
パウダーシュガーをかけてセイヨウスモモソース(実が入ったジャムのようなもの)と食べるのが定番です。
実際にはバリエーションが多く存在し、セイヨウスモモの代わりに杏子やリンゴなどで提供する所もあります。
上の写真はシュテファン大聖堂の反対側にあるHaas Hausの前に出ているスタンドです。
お気付きになりましか?
そうです、DEMELがこのスタンドを出しているんですね。
ここで手軽にKaiserschmarrenを持ち帰りできます。
ちなみにここに見られるようにKAISERSCHMARRN・・・"E"がない呼び方も多く見られます。
デーメルもコロナ禍で多くのお客さんを失っているはずです。
こういう新しい発想でオーストリアの伝統的な物を紹介しつつ、持ち帰りができるのは面白いです。
しかも、街の中心です。
上の写真のKaiserschmarrenは有名なケーキ屋さんZauner(ツァウナー)のものです。
個人的にここのKaiserschmarrenは一番美味しいと思っています。
そう言えばZaunerにも久しく行ってないですね。
コロナ禍での遠出は気持ちはしたくてもやっぱりね~・・・って感じです。
Kaiseschmarrenの名前の由来はいくつもの説がありますが以下はそのひとつです。
宮廷のパティシエがエリザベート皇后の要望に合わせて低カロリーのデザートを新しく作った所、エリザベートはボリュームがあったので食べようとはしなかった。
そこで厳格なことで有名な皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が立ち上がってその「Schmarren」をこちらにくれと言って代わりに食べてしまった。
フランツ・ヨーゼフは以下のように言ったそうです。
"Na geb' er mir halt den Schmarren her, den unser Leopold da wieder z'sammenkocht hat".
現在話されているドイツ語では"gib mir den Schmarren"でしょうね。
"Schmarren"は愚かなこと、ばかげた、価値のないこと・・・みたいな意味があります。
"Kaiser"は皇帝という意味です。
Kaiserschmarrenも是非ウィーンで食べて頂きたいものです。