ここ数日は午前中は秋の澄んだ青空が見られるウィーンです。
この時期の秋の空は特徴的です。
気温こそは下がっていますが、天気が良ければ皆さん外に出ます。
さて、昨日は街中を散歩してグラーベンの屋台に行って今年最後のSchilcher Sturm(シルヒャー・シュトゥルム)を飲みました。
もうお馴染み!グラーベンに出されたスタンドで、昨日の12:30頃の模様です。
ウィーンこぼれ話を読んで頂いてる方はもうすっかりお馴染みになったこのスタンドは今年で29年目になり、この秋の時期の味覚としてウィーンではすっかり定着しました。
毎年ここのSchilcher Sturmを楽しみにしている地元の人が多くいて、私もその一人です。
ここのオーナーのトーマスさんとはもう10年来の知り合いで、毎年ここで色々な話をします。この屋台は木、金、土が基本で、毎年5週間出るのですが、今年はトーマスさんのぶどう畑がもう放っておけない理由から4週間の営業で、今週は水曜日からやっていて、今日が千秋楽です。
写真の右奥に白髪の年配の女性が見えますね。
その奥には彼女の友達がいるのですが、この2人とは数年前にここで知り合って、色々な世間話をしました。
そしてその年のシュテファン大聖堂のクリスマス市でも偶然見かけて、プンシュを飲んでいて、また会話が盛り上がりました。
昨日2人を見つけて乾杯をかねて挨拶に行きました。
こういう出会いが楽しいです。
こちらは私が飲んでいるテーブルですが、左がオーナーのトーマスさん、右の眼鏡をかけた男性も偶然ですがトーマスさんです。
私がSchilcher Sturmを持ってこのテーブルに来た時、彼は1人で飲んでいました。
そこへオーナーのトーマスさんが私の所へ来て、しばらく私と話していた所・・・突然眼鏡のトーマスさんが私に話しかけてきました。
「俺の事覚えてない?」・・・え!!誰だろうと最初は思いました。
街中のチケット売りかと一瞬思ったのですが、30秒後ぐらいに突然閃いて、あなたはトーマスさん??
と聞き返しました。
「その通り!」と嬉しそうに返事が返ってきました。
この2人目のトーマスさんは、私が以前19区に住んでいた頃、私の車の保険担当者だったんです。
彼には色々お世話になり、うちにも仕事で来たことがあります。
この予期せぬ再会は12年ぶりぐらいです。
彼は保険会社を辞めて、別の仕事をしてるそうです。
いや~、懐かしかったですね。
この2人のトーマスさんはお互い、私を通して知り合いとなり、その後会話が弾んでいました。
こういう出会いが楽しいです。
こちらが今年最後のSchilcher Sturmです。
個人的に味は先週の方が甘さがあって美味しかったですね。
アルコール分が少し多めで、酸味を感じました。
でもこの味の変化も楽しみのひとつです。
Schilcher Sturm(シルヒャー・シュトゥルム)は同じSturm(シュトゥルム)でも特別なSturmです。
"Schilcher" (シルヒャー)とはオーストリア産の"Blauer Wildbacher"という赤ワインになるぶどうの品種からできたワインの名称です。
特に"Wildbacher"という品種からできたワインは明るい赤色になることからオーストリアではロゼとも言われます。
グラーツを州都とするシュタイヤーマルク州の南はロゼのワインが作られることで有名で、"Schilcher" はシュタイヤーマルク産のワインだけに用いられる登録商標です。
そのロゼワインになる途中の発酵中の飲み物ももちろんシュトゥルムと言われますが、特にこの場合のシュトルムは"Schilcher Sturm"(シルヒャー・シュトゥルム)と言われています。
来年、またお互い元気で会いましょう・・・と言ってここを去りました。