今日は朝4:30の時点で2.7℃だったウィーンです。
今週は先週よりもかなり暖かくなりそうです。
もっともウィーンは広い街ですから、場所によって気温の違いが生じます。
ウィーンの森に近い緑が多い地域だと気温は中心部より低いことが多いです。
今日は街中の一角にあるちょっとした場所を紹介します。
ウィーン9区の一角に地元でよく知られたStrudlhofstiege(シュトゥルードゥルホーフシュティーゲ)という、Pateurugasse と階段の名前と同じStrudlhofgasseの高低差を結ぶ絵になる美しい階段があります。
こちらがそのStrudlhofstiegeです。
Währingerstraßeから現在のこの階段に向かって1808年から通りがありました。
このちょっと小高い所をPeter Strudel というオーストリアの彫刻家・画家が所有していました。
彼はここに1690年にStrud(e)lhofという名のプライベートの絵の学校を設立します。
この学校は評判がよく、1705年には皇帝アカデミーに格上げされ、Strudel が亡くなる1714年まで運営されていました。
1907年、当時のウィーン市長カール・ルエーガーの時代に、この小高い場所から、現在のLiechtensteinstraßeに向かって階段を伴った歩行者用の通路を建設することが決められました。
この階段はTheodor Johann Jaegerのプランによるもので、
Mannersdorf (ブルゲンラント州のライタ山脈にある街)からの石灰岩が使われています。
ちなみにウィーンのリンク道路上の荘厳な建造物にもここからの石灰岩が多く使われています。
1910年11月29日にこのStrudlhofstiegeのオープニングセレモニーがありました。
今年で110年目にあたるわけです。
このStrudlhofstiegeはユーゲントシュティール様式のとても重要な建造物です。
歩行者用通路が、右へ左へと作られていて徐々に坂を上れるような構造です。
2つの泉も組み込まれ、全体的にシンメトリーに作られています。
この周辺空間にとても自然に、そして美しく溶け込んでいます。
1946~1948年に、Heimito von Doderer (ハイミート・フォン・ドーデラー)によって書かれた小説「Die Strudlhofstiege :oder Melzer und die Tiefe der Jahre」は1951年に出版され、とても知られています。
ここはウィーンの中心部からはちょっと離れていますが、見る価値は十分にあります。