ウィーンで一番有名なケーキと言えばザッハートルテでしょうか。
ウィーンを初めて訪れた方は必ずと言っていい程ザッハートルテを食べるかお土産に買って行くでしょう。
でも一番有名なケーキだからと言って、このザッハートルテがウィーンで一番おいしいケーキというわけではありません。
その辺はガイドの立場からハッキリ申し上げたいと思います。
私は観光中でもザッハートルテの話題を出すこともよくありますが、たいてい「ザッハートルテが有名だからと言って、ウィーンで一番おいしいケーキではありません」とハッキリ言い切ってます(笑)
でもザッハートルテが決して"まずい"とか"美味しくない"と言っているわけではありませんので誤解されないで下さいね。
いずれにしてもザッハートルテはどこのカフェやレストランでも提供されていますが、"伝統"や"オリジナル"にこだわるのであれば先日も話題にしたホテルザッハーということになりますが老舗であるのはデーメルです。
こちらはデーメルのザッハートルテとアインシュペンナーです。
アインシュペンナーはメランジェと並んでウィーンのカフェで飲みたいもので、日本のガイドブックなどではウィーンナーコーヒーに準ずるものとしてよく紹介されています。
コーヒーの量よりも生クリームが遥かに多いですね。
この生クリームの量はインペリアルホテルのアインシュペンナーといい勝負です。
オリジナルのホテルザッハーのザッハートルテと比べると何が違うのか・・・大きく言えば2箇所あります。
杏子のジャムが入っている場所がホテルザッハーはスポンジの中間に、デーメルはスポンジの一番上の層に・・・つまりチョコレートとスポンジの間です。
それからトレードマークのチョコレートがホテルザッハーは丸で、デーメルは三角というこれだけの違いです。
実際に食べ比べてもあまり違いはないような気がしますが、ホテルザッハーの方が若干乾いた印象があるような気がします。
デーメルは1786年Ludwig Dehneが、王宮があるミヒャエル広場にオープンすることから始まっています。
これはホテルザッハーができる90年も前のことです。
1874年には宮廷御用達という許可をもらいます。
デーメルのロゴには双頭の鷲マークが今でも付けられていますよね。
ミヒャエル広場にあったブルク劇場が壊されて、リンク道路沿いに移る時に、デーメルも今のコールマルクトに移りました。
そういう意味ではデーメルの方がホテルザッハーよりも歴史があるわけで、実際にデーメルは王宮に非常に近い所にあります。