大晦日と"Bleigießen" (ブライギーセン)2020年

今年も早いもので大晦日になりました。

今日の朝7:00の気温は1.0℃でした。

2020年もまもなく終わりになり新しい年を迎えます。

カレンダーでのクリスマスが終わるとウィーンの街は新年を迎える空気に変わります。

街中には毎年恒例のカウントダウンのスポットがいくつも設けられ、大晦日が近づくにつれて爆竹の音や花火の音が聞かれ、年が暮れていく時の流れを感じることができるのですが・・・今年は新型コロナウィルスの影響で異例の年となり、しかも12月26日より3回目のロックダウンに入っているので、大晦日のイベントもクリスマス市同様全て中止となり、自宅での静かな年越しとなります。

 

12月31日の夜は、例年ジルベスター(大晦日)イベントが開催され、市内各所で禁止されている花火の打ち上げや、爆竹を鳴らす等の行為が断続的に行われていましたが、今年は24時間の外出規制が行われており、各種イベントは中止となっています。また、警察によるパトロールが強化され、外出規制の違反者には罰金が課されます。是非、ご自宅等で静かに新年をお迎えください。(日本大使館12月30日付)

 

さて、今年最後のウィーンこぼれ話は例年通りBleigießenの話題です。

 


 

上の写真を御覧下さい。

たくさんの鉛でできた形とお皿のようなスプーンが見えています。

これは"Bleigießen"(ブライギーセン)、"Bleiguß"(ブライグス)とか"Silvesterguß"(ズィルヴェスターグス)とも呼ばれています。

"Blei"は鉛、"Guß"は注ぐ、流し込み、なんて意味があります。

鉛を熱して溶かして、すぐに冷たい水の中に入れます。

これは一種の神託占いで、こちらでは大晦日にこれをやる習慣があります。

鉛でできた気に入った形をひとつ選びそれをこのスプーンの上に置き、ロウソクの炎の上にスプーンを持って行って鉛の形を溶かします。

熱くなってくるとすぐに鉛が溶けて液状になります。

液状になったらすぐに事前に用意した冷たい水の中に投げ込みます。

 

すると、一瞬にして鉛が固まり、非常に個性ある形を形成します。

その形をよく見て、どんなものに似ているか判断し、それによって様々な説明があります。

一種のおみくじのようなものです。

 

うちは毎年大晦日にこれをやってます

実際に水の中で固まった鉛は、とても個性的なそして複雑な形になるので、それがどの形に近いかという判断が意外と難しいです。

 

 

Wikipediaに写真があるので御覧下さい↓

https://de.wikipedia.org/wiki/Bleigie%C3%9Fen

 

この習慣は古代ローマ時代から存在していたようです。

神託占いといっても現在では決して深刻なものではなく、この大晦日の習慣として楽しみながら行われます。

 

2018年4月よりEUの規定で鉛で行うBleigießenは禁止になりましたが、この習慣がなくなることは無く、鉛の代わりにワックスで形が作られています。

なのでWachsgießenということになりますね。

上の2枚の写真で見られる形も鉛ではなく、ワックスです。

写真で見ただけでは鉛と変わりませんが、持った時の重さが全く違います。


来年も皆様にとって健やかで良い年となることをお祈りしています。

来年も「ウィーンの街を公認ガイドと歩いてみませんか」を引き続きよろしくお願い致します。

 

 

 

 

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