オーストリアはキリスト教ローマカトリックが全体の80%以上と圧倒的にカトリックの国です。
これはハプスブルグ家がカトリックをずっと守って来たことも影響していると思われます。
明日の11月1日はそのカトリックの重要なAllerheiligen(アラーハイリゲン)という祝日で、日本で言うとお盆にあたります。
その前日の今日はハロウィンですが、ここ数年でハロウィン習慣がオーストリアにもかなり広がってきています。
オーストリアでは少なくとも1/4がハロウィン習慣を祝うようです。
オーストリアの全人口が890万ですから、200万人以上の人ということになりますね。
特に若い世代に支持されているようで、アメリカから来たハロウィン習慣・・・でも元はケルト文化から・・・つまりヨーロッパなので、それが精神的にも受け入れられているようです。
15歳~29歳の半数はハロウィンを祝うということです。
自分がハロウィン習慣に仮装したりせず、特に何もしなくても2/3は子供達が仮装して家にやって来るとお菓子を渡しているようです。
子供達が来ても彼らを追い返す人達は7%ということです。
33%の人がハロウィンカボチャを飾り、30%の人がプライベートのハロウィンパーティーに行き、26%の人がレストランなどでハロウィンパーティーをし、22%の大人、70%以上の子供達がハロウィン仮装をするということです。
さて、200万人以上がハロウィン習慣を楽しむわけですので、それに伴っての経済効果もかなり大きいものがあります。
魔女、悪魔、吸血鬼、血が付いた看護婦などの定番なコスチュームをはじめ、多くのコスチュームが売られ、また飴のようなお菓子など・・・WKO(オーストリア連邦産業院)によれば42.000.000ユーロも毎年支出しているそうです。
今年はもっと多いということになっていて、ウィーン全体ではハロウィン関係の物に、1人平均21ユーロ支出するという計算になっています。
ウィーンの3人に1人の割合で、ハロウィン関係の物を買うようです。
ハロウィンはもともと秋の収穫を祝うと同時に悪霊たちを追い出す古代ケルト人の宗教的な行事が起原とされています。
アイルランド、ケルト習慣で、Allerheiligen(諸聖人の日)の前の晩は「ハロウ・イブ(Hallow Eve)」と呼ばれるキリスト教以前からあった精霊達を祭る夜でした。
これが19世紀に移民によってアメリカに持ち込まれ、ハロウィンとなって現在に至っています。
私はウィーンに30年近く住んでいますが、当初はハロウィンはほとんど見られなかったと記憶しています。
しかしここ10年ぐらいから子供達、若者を中心にかなり浸透して来ているんだな・・・と実際に思います。
うちにも毎年近所の子供達が次々と何回も訪ねて来ます。
オーストリアは歴史があり、そして伝統が多く守られながら次の世代に受け継がれていますが、アメリカからのハロウィンがこのオーストリアに合うかどうかは疑問で、私は正直な所、オーストリアには全く相応しくないと思っています。