日中の気温が15℃に達しない少し肌寒さを感じるウィーンです。
秋が深くなるこの時期は黄葉が綺麗ですが、霧が発生することが多く、冬の近づきを徐々に意識させます。
今日は知られざる美しい中庭風景シリーズです。
前回の知られざる美しい中庭風景84ではシュタインから取り上げましたが、今回はウィーンです。
こちらは車が入れる閑静な美しい中庭空間です。
これだけ見ていると中庭とは思えませんが、建物に囲まれた正方形の中庭空間です。
中庭の石畳はいい演出をしてくれて、木々や芝生などは安らぎを感じさせます。
ゴシックの記念柱らしきものが立っていますがこれはBäckerkreuzというもので1506年となっています。
これはもともと現在のウィーン9区の別の場所に置かれていたものですが、その後ウィーン市の倉庫に入っていたものを、1933年にウィーン市から借りる形でここに置かれています。
Bäckerはパン職人ですね。
こちらも実は1枚目の写真と同じ中庭空間ですが、角度を変えて中庭入口正面から見ています。
この建物には
"Innungshaus der Bäcker Wiens "と書かれていて歴史を感じる美しさがあります。
ゴシック的な要素を持ったネオルネッサンス様式です。
この建物は"Haus der Bäckerinnung"と呼ばれ、パン職人組合です。
ウィーンで最も古いパン職人組合は現在のウィーン旧市街Krugerstraßeにあり、1468年と記録されています。
その後1605年にSalzgriesに引っ越し拡張されますが、1833年には取り壊されて新しくなっています。
その後1893年の現在のこの場所を入手して、1898年にはここに引っ越しました。
現在ここはパン職人博物館と資料館になっています。
パン職人は13世紀半ばにはシュテファン大聖堂前の墓地でパンやクッキーを売っていました。
この場所はウィーン8区Florianigasse13番地です。