ヨーロッパの建築には多くのアーチが登場します。
アーチはメソポタミア、古代エジプト、ギリシャなどの文明ですでに登場していますが、地上ではなく排水路のような地下に限定されていましたが、ローマ人はそれを洗練させて地上の建造物に利用していきます。
凱旋門などはいい例です。
ウィーンの街をちょっと歩くだけでも色々な所にアーチが見られます。
それ自体がまた街の景観になっていますね。
さて、前回のアーチの奥に見える風景26でははヴァッハウ渓谷にあるデュルンシュタインから取り上げました。
今回もウィーン郊外からです。
こちらは左右に扉が見えるので、何となく建物の入口っぽいなということがわかります。
少し空間的なアーチ構造になっていて、それを抜けると左右と奥にも印象的な建物が見えています。
この建物は16世紀半ばに建てられ、ここの中庭には1階のアーチと2階のアーチの形が違う美しいルネッサンス様式の建物が見られます。
入口のアーチを見ると、半円形部分が太くなっていて、天井にはおそらくその前の時代に作られたゴシック的なアーチが薄く組まれていることがわかります。
柱の部分も少し太くなっていて、土台的な石が見られます。
入口がこのようなアーチ構造になっている建物が多くあります。
夜などはこの入口の門が閉まりますが、門をよく見ると、人間用の扉がさらに見られます。
このパターンは都市宮殿などによく見られますね。
この場所はMürzzuschlagのWiener Straße 4番地で、ここは現在ブラームス博物館として一般公開されています。
こちらは建物内部にあるアーチ構造した空間です。
空間ですが、ここは廊下のような雰囲気で、一番奥にはその先に通じる扉のような入口があり、その手前は半円アーチ、そして一番手間はゴシックアーチになっています。
教会の天井によくあるスタイルです。
この場所はベートーヴェンの葬儀が行われた三位一体教会です。
教会と言ってもこの部分はもともと1692年にTrinitarier(トリニタリア・・・三位一体)修道会が修道院を作ります。
かつでの修道院だったので、このような構造になっているわけですね。