ウィーンのリンク道路沿いの最初の大建造物のひとつが国立オペラ座で、観光客の皆さんにとってはウィーンの街を見る上での目安になる建物であり、集合場所などにもよく利用されます。
国立オペラ座は1868年にリンク道路最初の大建造物としてプランされ、シッカルズブルク、ニュルという2人の建築家によりルネッサンス様式で建てられ、翌年1869年5月25日にモーツァルトのドン・ジョバンニでこけら落としが行われました。
去年2019年は国立オペラ座150周年にあたり、それに関しての多くの歴史的資料が国立オペラ座内に展示されています。
国立オペラ座の内部見学は、通常よりもはるかに内容が濃くなっていて面白いです。
今日はその国立オペラ座に展示してある貴重な写真をお届けします。
第2次世界大戦の終わり頃である1945年3月12日に国立オペラ座は爆弾を受けて建物の80%が壊されました。
戦時中でもオペラが上演されていて、1944年秋についに戦争により劇場が閉鎖となります。
最後の演目はワーグナーの神々の黄昏でした。
上の写真は爆弾が落とされた後の様子です。
瓦礫が散乱していますが、かなり建物の形が残っていますね。
実はこの時リンク道路に面した正面部分だけが生き残りました。
上の写真は王宮から見た再建中の国立オペラ座です。
つまりリンク道路とは反対の後ろ側です。
だいぶ形が出来上がっていて、屋根もわかります。
その後、10年の歳月を経て国立オペラ座は修復され、1955年11月5日、ベートーヴェンのフィデリオで再開しました。
国立オペラ座内部にはこのような歴史的資料が多く展示されていますので、時間をかけて見ることをお勧めしたいです。
ただ、ここは個人的に見学することができないためガイドツアーに参加する必要がありますが、ガイドツアーだと他の皆さんもいるのでその場で立ち止まってゆっくりということができません。
私のような公認ガイドであれば単独で皆さんを御案内することができます。
国立オペラ座の公演のチケットを買って早めに中に入れば、館内を散策することができるので個人的にゆっくり見学することができます。
国立オペラ座博物館ですね。