ウィーンの街は森の都とも言われ、ヨーロッパでは街の広さに対し緑の比率が最も高い街と言われています。
街を歩けば公園や庭園、街路樹など、緑が多いことがすぐに実感できます。
しかし、その豊かな緑をもっと外側から囲むウィーンの森があります。
ウィーンの森・・・何か魅力的な言葉ですね。
ウィーンの森として観光レベルで一般的に行き易いのは、北の森でしょう。
こちらにはウィーン市の公共交通機関を使って行けるカーレンベルクや近くにはベートーヴェンの遺書の家やベートーヴェンの散歩道などとも組み合わせて手軽にハイキング、散策が楽しめます。
団体ツアーなどでは見所が点在している南の森に行くことが多いですね。
さて、今日は観光では訪れない、しかし地元で人気あるMaurer Wald(マウラー・ヴァルト)を紹介します。
Maurer Wald(ちなみにMaurerwaldとも書かれます)はウィーン市23区Liesingに位置する 4 km²ほどの森です。
Mauerはかつてのこの地域の名前ですが、ウィーン23区の一角でも地元の人は今でもMauerと呼ぶ人が多いです。
ウィーン市を全体で見ると南西、左下端っこのウィーン市とNiederösterreichの境界線に位置しています。
実際、ウィーンの森の一部になっていて、ある意味では始まりでもあります。
上の案内図の緑が濃くなっている地域です。
ここの標高は260m~371mで、一番高い山がWilder Bergです。
ウィーン市の南側からウィーン市を眺められ、ウィーンの南の森方面への視界も広がっています。
ウィーンの北方面よりは広くないですが、ここにもブドウ畑が広がっていて長閑な風景が楽しめます。
ここもとてもウィーンとは思えません。
Maurer Wald内はいくつかの散策路が縦横していて、多くの地元の人が歩いています。
このような草原も数か所あって、リラックスできますね。
天気が良ければ寝転がっている人、ピクニックをしている人が必ずいます。
写真には登場させてませんが、子供達の遊び場もあります。
左上の写真には長い壁が見えますね。
これはラインツ動物公園を囲む有名な壁です。
最初の案内図を見て頂くと分かりますが、このMaurer Waldはラインツ動物公園に一部が接しているんです。
また、ここは"Stadtwanderweg"というウィーン市が定めた街のハイキングコースの6号線にも入るんですね。
ウィーン中心部から来るには遠くて不便ですが、ガイドブックにはまず掲載されないウィーンの自然とローカルな空気が楽しめるお勧めスポットです。