先週末からずっと天気が不安定なウィーンです。
青空が見られると思えば、暗い雲が覆い雨が降り始めてといった具合です。
昨日は雨もなく風は比較的強かったもののいい天気でしたが、今日は雨マークも見られます。
ウィーンの街は広いですから、ウィーン市内でも天気が違うことがよくあります。
しかし6月の夏至に向かって日がどんどん長くなっています。
さて、前回はヤブウツギを紹介しましたが、今日はウィーンの街至る所に見られる花です。
こちらはドイツ語で
Holunder (ホルンダ―)、
学名ではSambucus nirga,
日本語ではセイヨウニワトコとかエルダーとも言われています。
スイカズラ科のニワトコ属で落葉低木です。
こちらでは一般的にHolunderと呼ばれていますが、厳密には
Schwarzer Holunder
(シュヴァルツァー ホルンダ―)と専門書などには紹介されています。
これは花が咲いた後になる実が黒いことから来ています。
Holunderは種類がいくつかあり、黒いSchwarzerに対して、赤い実がなるRoter Holunderも知られています。
開花時期は5月~6月で、全体的に薄い直径10cm~20cmぐらいの円状で、その中にたくさんの3mm~8mm程度の小さいクリーム色の白い花を咲かせます。
非常に甘い香りを放ち、ジュースやハーブティーなどに用いられ、スーパーにはHolunderのジュースが売られています。
高さは3m~7mぐらい、ものによっては9mぐらいにもなり、かなり高くなります。
幹がかなり太くなるものもあり、いわゆる"木"も多くあります。
ニワトコの実は新石器時代から人々に集められていましたし、薬用植物として呼吸器官系や解熱に効くとされています。
またゲルマン民族からの習慣で、いわゆる悪霊を遠ざける意味もあり、聖なる木としての意味もあります。
標高1200mぐらいまでに見られ、この時期自然の中、公園、庭などにとにかく多く見られます。
写真は2020年5月22日12:00頃、ウィーン21区のWassermanngasseで撮影したものです。