3月16日から,生活必需品店等の例外を除き,店舗は閉店を余儀なくされましたね。
その時例外となったのは,食料品店,薬局,ドラッグストア,郵便局,銀行の他,タバコスタンド,ガソリンスタンドや動物飼料店等。また,医療製品・医薬品や,保安・緊急時用品,整備機材を扱う業者も対象外となりました。公共交通機関は従来通り運行、4月6日(月)から,食料品店入店時に鼻と口を覆うマスク着用を義務づけられました。
オーストリアは欧州の諸外国と比較して早い段階に厳格な感染拡大防止策を実施したことにより,他国より早く危機から脱却できるだろうとの認識を示し、イースター明けの4月14日から400平米までの小規模店舗,ホームセンター及び園芸用品店の営業が許可され、5月1日からは全ての店舗,ショッピングセンター,理髪店の営業も再開、そして5月15日からはレストラン、カフェも再開し、シェーンブルン宮殿や王宮もオープンしています。
外出禁止になったわけではありませんから、行き交う人との間隔をとりながら散歩したり自転車に乗ることもできました。
さて、その自転車はヨーロッパのひとつの文化です。
ウィーンを歩けば自転車で走っている人がたくさんいます。
かつての帝国の都であるウィーンは荘厳な建造物が多く建ち並び、豊かな緑に囲まれた上品で優雅な街ですが、自転車もウィーンの光景のひとつで、ウィーンの街のカラーに完全に溶け込んでいます。
リンク道路を始めとして、街中には自転車専用道路が多く整備されていることがわかります。
観光の皆さんでも乗れるCitybike(シティバイク)のように、自転車を所有していなくても気軽にレンタルできるサービスが多くあります。
街中だけではなく、ドナウ河沿い、ドナウ運河沿い、ウィーン川などにもサイクリングコースが整備されていて、子供から大人まで、スーパーで買い物帰りの方から自転車選手まで多くの人が走っています。
私は仕事で自転車に乗ることは前述したCitybike以外乗ることはありませんが、プライベートでは頻繁に自転車に乗っています。
この時期でも気晴らしに子供とよくEuro Vero9を走っています。
Euro Veloは(ユーロヴェロ)1983年に当初12か国で設立され、現在では43ヵ国が加盟しているECF(European Cyclists' Federation・・・ヨーロッパ自転車連盟)が推奨しているヨーロッパ自転車道路網です。現時点で15コースありますが、オーストリアにはEuro Velo 6,7,9,13の4コースが通っています。
御興味ある方は地図をダウンロードできるようにしてありますので参照して下さい。
これを見ても自転車がいかにヨーロッパで人気があるかということがわかります。
左の写真はこのルートに見られる案内表示です。
"Wien~Břeclav" と書かれていますがBřeclavはチェコです。
いつも走るこのルートは長閑な自然が広がっていて、走っていて本当に気持ちいいです。
Euro Velo 9はBaltic-Adriaticという名称で、全長1.930kmです。
私はこのEuro Vero9にウィーンのStammersdorf界隈からいつも入ります。
Stammersdorfは観光化されていない、地元で有名なホイリゲ街です。
ここにはこのサイクリングコースだけではなく、うちのお気に入りの散歩コースもあります。
Stammersdorfから奥に走って行くと、家が少なくなり、このような自然が広がっていて、整備されたサイクリングロードが果てしなく続いています。
この自然を少し走るとウィーンを離れることになります。
とてもウィーンとは思えない風景です。
Euro Veloとして認定されるには全体の80%が舗装されていること、傾斜6%以内、2台以上の自転車が並走できる幅であることなどの規定があります。
オーストリアは郊外に数千人単位の街が多く点在していて、街と街の間には美しく長閑で豊かな自然が広がっています。
車で走るともっとそれを実感できますが、Euro Veroのようにヨーロッパを縦断するような長いルートでは多くの街を経由しますので、距離を長く走っているとそれを実感できますね。
余談ですがStammersdorf界隈のEuro Vero9は、1903年から蒸気機関車が走っていて、その線路部分が利用されています。
かつての駅だった所には蒸気機関車の車輪や信号、当時の案内板などが置かれていて、休憩できるスポットになっています。
今日掲載した画像は3月18日の時のものですから、まだ冬っぽさを感じますね。
ここは本当にお勧めのサイクリングコースです。