復活祭まであと1週間を切りました。
今年は復活祭が4月12日で、去年の4月21日と比べると早いです。
本来この時期は復活祭の空気を楽しんで、別の意味での活気が感じられますが、今年は新型コロナウィルスの影響で静かな、家庭で個々に祝う復活祭となりますね。
復活祭はドイツ語ではOSTERN(オステルン)と言いますが、これは厳密にキリストが復活したことを表す言葉ではありません。
OSTERNについては復活祭当日に取り上げますが、地元の生活の中ではキリストが復活することを祝うよりも、春の訪れを祝う空気の方が強いと思います。
この復活祭シーズンに頻繁に見られる代表的なシンボルを3つ紹介しましょう。
Osterhase(オスターハーゼ)
オスターハーゼは復活祭のうさぎです。
Osterhase(オスターハーゼ)が復活祭のシンボルになったのは、実はそんなに古いことではなく、17世紀終わりからということです。それより前には存在していませんでした。
それまではうさぎではなく、こうのとり、にわとり、きつねがたまごを運んでくるという習慣はありました。
うさぎは春先にたくさんの子供をもうけます。
それが"新しい生命"を象徴し、そこからキリストの"復活"と結びつきました。
Osterei(オスターアイ)
たまごもうさぎと同様、新しい生命の象徴です。
このたまごは、前述したOsterhaseが持って来るということになっています。
現実にうさぎがたまごから生まれるということはないですし、うさぎがたまごを運んで来ることももちろんありません。
また、たまごには色が塗られていて、赤、青、緑、黄色といった一色だけのたまごもあれば、カラフルなたまごもあり、スーパーなどでもゆでたまごとしてたくさん売られています。
Palmkätzchen (パルムケツヒェン)
Palmkätzchen (パルムケツヒェン)も、花屋さんでは必ずこの時期には並んでいて、レストランやお店の中などにも飾られていたりします。
そのヤナギの枝にたまごがぶら下がっていることも多く見かけます。
聖書にはイエス・キリストがロバに跨って復活祭前の日曜日エルサレムに入城した時、人々はシュロ(ヤシ)を振りかざしてイエスを迎えました。
でもこちらヨーロッパの内陸ではヤシがありませんでした。現在ではいくらでも買えますし、南に行けばたくさんあります。
そこでいつしかネコヤナギが代わりに使われるようになり、家をネコヤナギで飾る習慣が生まれたというわけです。
本来であれば、Palmkätzchenではなく・・・パルムはヤシ、Weidekätzchen(ヴァイデケツヒェン)ですね。Weideはヤナギです。
でもこちらではPalmkätzchenと呼ばれています。
ネコヤナギは蜂にとって春の最初の食べ物のひとつです。
そんなことから春の訪れ・・・同時に復活祭のシンボルとなっているわけです。
こちらでは復活祭のこの時期になると当たり前のようにこのような象徴的な物を飾ります。
これ以外には羊やニワトリなどもシンボルとして見られます。
このような習慣もキリスト教の歴史を少しでも振り返ってみると、しっかりとした理由があって、現在の私たちの時代に受け継がれていることがわかります。
このような意味を知っていると、ただ単に街中を歩くのとは全く違って見えてきますね。