今日はとても残念なお知らせです。
すでに御存知の方も多いと思いますが、シェーンブルン宮殿、王宮、美術史博物館、ベルヴェデーレ宮殿、国立オペラ座、音楽家の博物館などが本日3月12日より4月3日まで(音楽家の博物館は4月5日まで)新型コロナウィルスからの安全確保と拡散防止のため閉館となりました。
オーストリア政府と連携しているウィーン日本大使館からも随時最新情報が届いています。
一昨日と昨日に届いたウィーン日本大使館からの情報を抜粋してお知らせします。
<以下3月10日付>
3月10日,クルツ連邦首相はアンショーバー社会・保健・介護・消費者保護相,ネーハマー内相と合同で記者会見を開き,新型コロナウイルスに関する現状報告を行い,ウイルス拡大のスピードを落とすことで体制を整備するとともに,季節性インフルエンザの蔓延期と重複しないためとして以下の措置を発表しました。
(1)イタリアから人の入国停止。
・人の移動については,感染していないという証明がない場合は入国禁止。
・物の移動は引き続き継続。
・オーストリア域内での途中下車のない車の通過は可。
・空と鉄道の旅客便は止める。
・国境では全ての車両がストップされてチェックを受ける。その際に身分証明の提示を受けるとともに写真を撮る(通過と申告した人が本当に通過したかを確認するため)。
・イタリア滞在のオーストリア人はオーストリア本国に引き揚げる。引き揚げの際には14日間の自宅待機。
(2)オーストリア内での拡大の抑制
・大学・単科大学の授業を停止する。遅くとも来週月曜からは授業を行わない。小中高校については,拡大のコア層が14-30歳とされること,また,子供のケアへの負担の観点から現時点では休校としないが,両親への負担について考慮しながら正しいタイミングで判断する。
・ビジネスについてはできるだけオンライン形式,テレワークに移行することを望む。
・11日からとりあえず4月3日12:00まで,500名を超える屋外行事及び100名を超える屋内行事はキャンセル。
午後に法的拘束力を持つ禁止措置(Erlass)として決定する予定
・社交(ソーシャルコンタクト)の低減による拡大スピードの抑制。特に若青年層については高リスク層に考慮して欲しい。市民に対して今後数週間は抑制された社会生活を送るよう要請する。
・公共交通機関の停止は現時点では行わない。
3
オーストリア外務省は,10日付でイタリア全土に対して「渡航中止・避難」を求める危険レベル6を発出しました。
<以下昨日の3月11日付>
1
オーストリア国内発生状況(州:累計確定症例数)
・チロル州 :57名(内治癒数:2名)
・ウィーン市(州) :50名(内治癒数:2名)
・ニーダーエーステライヒ州:45名
・オーバーエーステライヒ州:35名
・シュタイアーマルク州 :25名
・ザルツブルク州 :14名
・フォアアールベルク州 :13名
・ブルゲンラント州 :4名
・ケルンテン州 :3名
2
新型コロナウイルスは風邪と同様にせきやくしゃみなどの飛沫で感染するとされていますので,手洗い,人混みを避ける等の基本的な感染症対策に努めてください。
ただし,当国では覆面禁止法によりマスクの着用が禁止されており,新型コロナウイルス感染予防のためのマスク着用について新聞社から見解を問われた当国内務省は,健康上の理由によりマスクを着用する場合には原則として医師の診断書が必要である旨回答しておりますので,ご注意ください。
なお,オーストリア保健・栄養安全機関(AGES)は,新型コロナウイルスへの感染の疑いがない人については通常の石鹸で十分であると強調し,消毒液は医療目的で消毒が必要な人・機関により使用されるべきであるとしています。
参考:コロナウイルス感染予防措置
・定期的に,約30秒間石鹸で手洗いをする
・顔(特に口,目,鼻)を指で触らない
・握手と抱擁を避ける
・鼻をかむ際,咳をする際は使い捨てティッシュに行うか,腕で口・鼻を覆って行う。ハンカチを使う場合は使用した後で捨てる。
3
また,5日,アンショーバー保健相はオーストリアにおいて新型コロナウイルスへの感染が確認された37人(当館注:5日午前8時現在の確定症例数)に対し,現在12万9.000人が季節性インフルエンザ及びその他のウイルス感染症に罹患している旨述べました。季節性インフルエンザは前年に比して「強力な波」となっているものの,すでに消退期に入っているとのことです。ウイルス学者のレードルベルガー=フリッツ氏によれば,オーストリアにおいて現在までに計24万5.000人が今季のインフルエンザに罹患したとのことです。
新型コロナウイルスだけでなく,季節性インフルエンザの予防にも努めてください。
イタリアの北部では抜きに出て多くの感染者が出ています。
スーパーマーケットを除き、レストランなどは全て閉鎖されているようです。
オーストリアはイタリアに接していますから、前述したようにイタリアからの入国を制限しています。
来週の月曜日から日本同様、こちらの学校も閉鎖されることになりました。
厳密には14歳以上のクラスは月曜日から、小学校から13歳までのクラスは水曜日から閉鎖になります。
ウィーンでの現状での生活空気は正直いつもと変わりません。
個人レベルでしっかり気を付けようという意識が強いですね。
挨拶の時に握手をすることが少なくなったかなという程度で、マスクを付けている人は誰もいませんし、何事も起こってないように感じます。
この時期ウィーンに来る方、もしくは来ることを予定されている方は博物館は4月3日まで(現時点で)はほぼクローズになっていると思いますので、(私も全ての博物館を調べたわけではありませんのでぞれぞれのホームページで御確認下さい)歴史ある街中をぶらぶら歩いたり、ドナウ河沿いを散策したり、例えばウィーンの森のハイキングなどもお勧めです。
専門知識を持った公認ガイドが同行すれば歩いているだけでも楽しいですよ。
教会はオーストリア政府が決めた屋内100人に従い、ミサも行われ、可能な限り開けておくということですが、ガイドツアーなどは提供されないと思いますので、ローカルで確認が必要です。
カフェ、レストランは現時点では通常通り営業していますが、変わる可能性もあるので、それぞれのホームページなどで事前に確認されて下さい。