ウィーンには100年以上も続く、伝統カフェハウスが多くあります。
カフェハウス文化は無形文化遺産にも登録されていて、ウィーンの生活に完全に密着しています。
ウィーンで観光するなら、是非そのようなカフェハウスも訪れて頂きたいです。
伝統あるカフェハウスに入った瞬間に、そのカフェハウスに流れている別の時間を感じます。
観光客が多く集まるカフェハウスというとホテルザッハーのカフェがすぐに思い浮かびます。
ザッハートルテは話題性があり、またホテルザッハーは国立オペラ座の真裏ということもあり、よく行列が出来ています。
ちなみオーストリアでは"ザッハー"ではなく、"サッハー"と発音します。
しかし、ホテルザッハーのCafé Sacherよりも、もっと長い行列が常に出来ているカフェハウスがあります。
ウィーンに詳しい方であればここがどこだかおわかりになるでしょう。
左側に古典的な建物が見えますが、有名なCafé Central(カフェ ツェントラル)です。
16:30過ぎ頃にここを通りかかりましたが、このカフェに入りたい方が待っている長い行列です。
このカフェは昼間でも行列がないことの方が珍しく、いつも混んでいますが、多くは観光客に支持されていますので、中に入ると国際色豊かなカフェです。
この日は何か特別なイベントがあったわけでもありません。
このカフェの入口がある方からの眺めです。
この建物は歴史的重要な建造物で、Palais Ferstel (フェルステル宮殿)と呼ばれ、 ヴォティーフ教会も手掛けた、ハインリヒ・フォン・フェルステルによるもので、1860年に完成しています。
フェルステルがイタリア旅行から得たインスピレーションを元に、豪華な宮殿をイメージしました。
アーチが印象的なルネッサンス様式(後期ロマン歴史主義様式)です。
中に入ると建築様式が素敵で、ウィーンのカフェハウスの中でもそういう意味ではちょっと特殊な色でしょうか。
個人のお客様とこの界隈を徒歩観光する場合は、お茶はしませんが必ずと言っていい程ここに立ち寄ります。
歴史的に重要なカフェハウスですからね。
お茶をしなくても中の雰囲気を御案内していますが、最近このように行列が出来ている時は中にすら入れてもらえなくなりました。
個人的には建築様式を見る価値はありますが、カフェを目的として来るには騒がしすぎて全く落ち着けないと思います。