ウィーンは"森の都"とも形容され、ヨーロッパの街の中で、街の面積に対し緑の比率が最も高い街です。
中心のリンク道路の並木も印象的で、その周りだけでも多くの公園や庭園があります。
ウィーンを歩けばこの街は緑が豊かだなと思われるでしょう。
日中の気温が10℃に達しない日が出て来て、秋の深まりと共に冬の訪れを日に日に感じます。
さて、今日はとてもウィーンとは思えない場所の秋をお届けします。
こちらは地元で有名なラインツ度物公園です。
見事な秋の色です。
ラインツ動物公園(Lainzer Tiergarten)はウィーンの森西側入り口にある広大な緑で、ウィーン市MA49が管理している自然保護地域です。
広さは24.5km²もありその内23.6km²はウィーン市に入り、残りはNiederösterreichに入ります。
全体の19.45km²は森林地帯で、一周22kmもある壁に囲まれています。
この地域を含めたウィーンの森は、ハプスブルグ家以前のバーベンベルク王朝時代の11世紀には狩猟地域として使われていました。
皇帝フェルディナント1世がここを入手し、1561年に木製の柵を作らせています。
そこから帝国が崩壊するまではハプスブルグ家の土地でした。
ここには6つの入口があり、その内4か所は入口近くに駐車場が完備されています。
定番は上の写真に見られるLainzer Tor という入口です。
うちがここに来る時にはたいていこのLainzer Torで車を停めてここから入って行きます。
この入口から一歩足を踏み入れるとウィーンとは思えない豊かな自然が広がっていて、とても素敵な黄葉が至る所に見られます。
ここにはフランツ・ヨーゼフ1世がエリザベート皇后のために建てさせたヘルメスヴィラという有名な別荘があります。
これはまたいつかここで紹介します。
2002年の時に、日本の天皇、皇后両陛下がウィーンに来られた時に、お二人はこのラインツ動物公園のかなり奥まで行かれています。
そこにはお二人がここに来られたという記念碑が立てられています。
とにかくここは広大なウィーンの森であり、散策路も整備されていてとても歩きやすくなっています。
シカなどの動物達も放し飼いされていて、植物の説明なども随所に置かれています。
子供の遊び場もあって十分楽しむことができます。
秋が深まるこの時期のウィーンの森は素敵です。
車ではなくても、ちょっと不便ですがもちろん公共交通機関でもアクセスできますからウィーンに観光で訪れる皆さんも行くことができます。
お勧めはこのLainzer Tor とNikolaitorです。
<Lainzer Tor>
地下鉄4号線Hietzing駅から路面電車60でHermesstraßeまで来て、そこから55Aの路線バスでLainzer Tor まで。
<Nikolaitor>
地下鉄4号線の終点Hütteldorfまで行き、そこから徒歩10分でNikolaitorまで。