新年度が始まり2週間が経ちました。
学校も新年度となり、地元の皆さんもそろそろ新しい生活リズムに慣れ始めてきた頃でしょうか。
こちらの教育制度はまず幼稚園に1年間は行く義務があり(もしくはそれに準ずる内容を受けたことを認めさせる)、小学校 (Volksschule・・・フォルクスシューレ)は4年制です。
ウィーン公立の小学校は日本のようにクラス替えもなく、担任の先生も産休や年金に入るといった事情でやめない限りは4年間ずっと子供達と一緒です。
こちらは小学校1年生からすでに日本で言う落第制度が存在します。
成績は5段階で1が一番いいです。
その後の進路は大きく分かれます。
小学校での成績が良ければGymnasiumという8年制(日本で言う小学校5年生~高校3年生まで)の学校に進み、これを卒業すれば"Matura"が与えられ、大学に進学することができます。
Maturaを持っているか、いないかではオーストリア社会的にも大きな違いがありますね。
でもGymnasiumに進むためには小学校の成績が2が数個で後は1、3があったらアウトという所も多いです。
実際には兄弟が先に通っていたりするとある程度成績が悪くても優先されたりとか細かいことはありますが。
こちらは9月から新年度が始まり、小学校、Gymnaisumなどに通い始める子供達が多くいます。
学用品の一環で当然日本で言うランドセルを買うわけですが、もちろん日本とは形も違っていて個性を感じることができます。
今日はこちらのランドセルなどを扱う専門の学校カバン店を紹介します。
こちらはウィーン中心部からかなり離れたウィーン22区一角にあるEßlinger Hauptstraße 68番地にある、地元では非常に有名な学校カバン専門店 "Schultaschenmarkt"(シュールタッシェンマルクト)です。
Schul・・・学校
Tasche・・・カバン
Markt・・・市場
日本で言えばランドセル専門店です。
車がなければ不便な場所にありながらもウィーンを始め遠くから多くの人がランドセルを買いにやって来ます。
この黄色い建物の1階と2階に店舗が入っています。
お店の中に入るとたくさんのランドセル(この表現が分かりやすいので)が並び、学用品も多く売られています。
左上の写真の奥にはソフトクリームのコーンの形をしたものがたくさん並んでいますが、
これは"Schultüte"(シュールテューテ)というものです。
この中には両親や祖父母から贈られたお菓子や学用品、ちょっとしたおもちゃがなどをいっぱいに詰め込んで、子供達が小学校の初日にこれを持って登校します。
"小学校入学おめでとう!"という意味が込められています。
うちは小学校に入学する時も、Gymnasiumに入学する時にもこの店を利用しました。
Gymnasiumの場合は、持って行く教科書などの量が多いので、小学校のようなランドセルとは違い、ハイキングに行くようなリュックが主流です。
リュックと言っても、ハイキングのリュックサックとは全く違い、学校で利用する教科書やノート、ノートブックパソコンなどたくさんの物が収納できる構造となっています。
この店は質のいいランドセルをたくさん揃えています。
余談ですが・・・
ここのオーナーは日本語を話せます!
これは全くの偶然ですが、私と子供が日本語で話していたら、すかさず会話に入って来てビックリしました。
話を聞くと、上智大学でドイツ語を教えていたことがあるそうで、日本人と結婚していたことがあったそうです。
実はこれにはまだその前の話があります。
うちの子供がここで小学校のランドセルを買った時、男性の店員さんがアドバイスをしてくれたのですが、その方が日本語を話したんですね。
ビックリしました。
事情を聴いたら日本に住んでいたことがあって、自分の母親は日本人だったと・・・。
でももう両親は別れてコンタクトはない・・・という話を聞いていました。
オーナーが日本語を話したことで、この日本語を話した店員さんのことを思い出し、以前日本語ができた店員さんがここで働いていませんでしたか・・・と聞きました。
そうです、その店員さんはオーナーの息子さんだったんですね。
日本語を使う機会は残念ながら現在は全く無いそうです。
ウィーンでお子さんが学校に通う時にランドセルが必要であれば、是非このお店に足を運んでみて下さい。
きっといい物が見つかりますよ。