オーストリアのひとつの観光スポットとして最も多くの観光客が訪れるのはシェーンブルン宮殿でしょう。
ヨーロッパで重要なバロック建築だけでなく、世界遺産にも登録されていて、通常の団体ツアーではシェーンブルン宮殿は必ずと言っていい程訪れます。
私は国家ガイドの仕事柄1日2回来ることも頻繁にあります。
ここは年々観光客が増えていることが実感できます。
以前はチケット売り場が宮殿内にありましたが、それが正門界隈の建物に移動、そして今年9月19日からはついに宮殿の外に新しく設置されてまた状況が変わります。
このシェーンブルン宮殿が開館前から並んでいる状況を多く見るようになりました。
最近シェーンブルン宮殿に入場する時に、Vienna PASSをも持っている観光客の皆さんが増えてきました。
Vienna PASSはウィーンのシェーンブルン宮殿や美術史博物館を始め60以上の観光スポットの入場料、HOP ON HOP OFFバスの乗り放題、優先入場、ガイドブックが込みになっていて、希望によってウィーン市公共交通機関の24時間、48時間、72時間を別料金で組み合わせることができ、1日、2日間、3日間、6日間から選ぶことができます。
3日間有効のVienna PASS大人料金は125ユーロです。
確かに博物館を多く回れば元が取れます。
日本からの皆さんはこのVienna PASSを利用する人はまだまだ少ないですが、外国からの人はかなり利用していて、シェーンブルン宮殿でも多くのパス所有者に出会います。
優先入場できるのでシェーンブルン宮殿のチケットカウンターの前に物凄い行列が出来ていたとしても、確かに並ぶ必要はありません。
Vienna PASS専用のカウンターがあるからです。
※現在2024年時点でVienna Pass専用カウンターはなくなり、Arrivalセンターでチケットに換えます
ただ、パスを持っている人が多い場合はPASS専用のカウンターに並ぶことはあります。
チケットを買うために並ぶ必要がなくても、シェーンブルン宮殿にすぐ入場できるかと言えばそれは違います。
こちらはシェーンブルン宮殿のVienna Pass 窓口です。
実際にここはVienna Pass以外でもシェーンブルン宮殿に関するInfoデスクとして混雑している時には3人の係が対応しています。
宮殿の正門から入ってすぐ左側の建物で、そこに入るとすぐ左側にこの窓口があります。
この奥には一般のチケット窓口があります。
Vienna Paassを持っている人はここですぐにスキャンしてもらえますので、待ち時間はほとんどありません。
しかし・・・
チケットを発行してもらってもすぐに入れるわけではありません。
その時の宮殿の混雑状況により、時間が公平に割り当てられます。
例えば混んでいる時など午前中10:00頃にスキャンさせても、実際の入場は15:30ぐらいというのも珍しくありません。
別の例ではパスの有効期限が今日まで、でもその日の午後などに来て入場チケットがもう明日の分しかもらえない・・・なんてこともあります。
実際にドイツからのある夫婦が明日に帰る予定、でもその日のシェーンブルン宮殿の入場チケットが取れなくて途方に暮れた場面にも遭遇しました。
逆に10:00頃に来ても11:00前に入場できることもあり混雑状況により様々です。
Vienna Passは確かに入場チケットを買うために並ぶ時間を節約できますが、だからといってすぐに宮殿に入れるわけではないので御注意下さい。
あくまでもその時の混雑状況によります。
ちなみにシェーンブルン宮殿のこのInfoセンターはまもなく9月19日より宮殿の外側に移転します。