ウィーンは宮廷文化が栄えた街です。
ヨーロッパで一番長く続いたハプスブルグ家の居城があり、そのハプスブルグ家から歴代神聖ローマ帝国の皇帝やローマ王が多く選ばれていたことから、ウィーンは皇帝の居城であったので、様々なものが集まって来ることになり、ここで洗練されて発展していきました。
食文化もそのひとつでしょう。
ハプスブルグ家の宮廷には大きな厨房が存在し、19世紀後半には王宮銀器・食卓調度保管室として大規模で運営されていました。
ウィーンの3大名物料理と言えば、Wiener Schnitzel (ヴィーナーシュニッツェル)、Zwiebel Rostbraten (ツヴィーベルローストブラーテン)、Tafelspitz(ターフェルシュピッツ)でしょう。
みんな美味しいですが、どれも肉料理ですね。
ウィーン料理としてベジタリアン向けにお勧めしたいのがEiernockerl(アイヤーノッケルㇽ)です。
個人的にEiernockerlは大好きで、仕事でもよく食べます。
一般団体ツアーでEiernockerlが提供されることはまずありませんが、毎日ウィーンナーシュニッツェルを食べることはできないので、よくレストランでは特別に作ってもらいます。
個人のお客様とカフェやレストランで食事をするときなどに典型的なウィーン料理のひとつとしてよくお勧めしています。
こちらはZUM BETTELSTUDENTのEiercockerlです。
たいていレタスを主体としたGrüner Salatと共に出されます。
Eiernockerl (アイヤーノッケル)は一般的に、
小麦粉、卵、塩、バター、牛乳を混ぜて生地を作って、その生地を一口サイズに切りながら、(こちらではそれ専用の道具があります)すぐに熱湯に入れます。
生地が水面に浮いて来たら、取り出し、冷たい水で流し、ちょっと油を入れてくっつかないようにします。
フライパンにバターを入れ、生地を、卵、塩、胡椒、ナツメグ(好みで)を加えて炒めます。
最後にチャイブを降りかけます。
場所によっては、玉ねぎ、ベーコンが入っている場合もあり、それぞれの家庭やレストランでかなり味の違いがあります。
多くのレストランではベジタリアンの欄に書かれています。
うちは義理の母が定期的に作ってくれるので、冷凍して保存してあります。
食べる時に解凍し、ベーコンと卵を入れてフライパンで温めて食べます。
シンプルな料理ですが、塩、胡椒だけで美味しく食べられます。