ウィーンの街の真ん中にはゴシック様式のシュテファン大聖堂が聳えています。
ウィーンに滞在する方はこのシュテファン大聖堂を何度となく見ることになるでしょう。
バーベンベルク王朝時代の12世紀半ばに建築され、現在までずっと歴史を見続けてきました。
最近シュテファン大聖堂に入った方は気付かれているかもしれませんが、柵の手前にオルガンの鍵盤が置かれています。これはRiesenorgel(リーゼンオルゲル)の鍵盤ですが、これはもともと入口から入ってすぐの真上、西側に設置されていたもので、2017年秋より現在まで修復中となっています。
Riesenorgelに関してはこちらを御覧下さい。
こちらは今年5月半ばに撮影したシュテファン大聖堂の西側上の部分です。
この場所には、シュテファン大聖堂のバロック化に伴い、Römerorgel(レーマーオルゲル)が1720年に置かれました。
その後、1886年にドイツオルガン製造者によって新しくここに設置されたオルガンから"Riesenorgel"という名称となったわけです。巨大オルガンですね。
そのRiesenorgelが第2次世界大戦の終わりに、シュテファン大聖堂の屋根が落ちたことによって壊され、その後、1960年にウィーンのオルガン製造業者Johann Marcellinus Kauffmannによって新しいオルガンが設置されるわけです。
それを修復しようというわけですね。
まだこの段階ではオルガンの土台部分しかなく、パイプは全く見られません。
しかし、大聖堂内には修復されるオルガンの部品、パイプなどがすでに運び込まれていることがわかります。
もともと125のレジスター、パイプの数は約10.000本で、オーストリア最大のパイプオルガンですから、新しく利用されるパイプも迫力があります。
シュテファン大聖堂を閉めることなく、日ごとにこのオルガンの修復作業が進んで行くことがわかります。
ここに入るたびに様々なパーツが置かれていますね。
2020年にはこのオルガンが復活します。
当初問題であった音響がどのくらい改善され、そして実際に満足いく音が発せられるのか・・・これは大変に興味があります。