ウィーンはかつての帝国の都であり、荘厳な建造物が建ち並ぶ優雅で上品さを感じる街ですが、"森の都"とも形容され、緑豊かな街でもあります。
ウィーンの中心部から郊外に行くと、ウィーンの森などの美しい自然に出会えますが、オーストリア自体がヨーロッパアルプスを持っているという地形の特徴があるため、観光では知られていない・・・しかし地元では良く知られているスポットが数えきれない程点在しています。
その中でNaturpark・・・自然公園は手軽に自然が楽しめます。
オーストリアには48の自然公園がありますが、この前紹介したBlockheideもそのひとつです。
今日はNaturpark moor Heidenreichsteinを話題にしましょう。
Naturpark moor Heidenreichstein(自然公園 モーア ハイデンライヒシュタイン)はウィーン国立オペラ座より車で135km、1時間45分ぐらい走ったNiederösterreichのWaldviertelの一角にあります。
ここは標高600m程、約31ヘクタールある湿地帯で、面白い自然の一面に出会えます。
左上は入口ですが、湿地が広い割には、入口が小さくてあまり目立ちません。
駐車場のすぐそばにInfoセンターがありますが、Infoセンターを通らなくても自然公園に入れます。
ここは定期的に提供されているガイドツアーに参加しない限りは無料で湿地帯を散策できるようになっています。
Infoセンターの裏側には、右上の写真に見られるように広々とした緑にちょっとした遊び場まで作られていて、のんびりできる空気が漂っています。
ここからさらに奥に進んで行きます。
うちは例によっておにぎりを持って行き、ここでのんびり食べた後、散策を始めました。
見通しが良く、気持ちのいい野原を通ってさらに奥に行くと森林地帯に入ります。
ここには以下の3つの散策コースがあります。
Moorlehrpfad (2.7km)
Waldweg (3.7km)
Tut-Gut-Weg (1.1km)
ここは湿原なので、この自然公園の特徴を見るのはMoorlehrpfadが最もお勧めです。
Moorlehrpfadを歩いていると、左上の桟橋のような場所に来ます。
この地帯は湿原でも泥炭地です。
泥炭地は水分が多いため微生物の分解作用に必要な空気が不足し、植物遺体がそのままの形で堆積している土地のことです。
ドイツ語で泥炭はTorf・・・湿原植物が生育する湿原地帯に形成される分解不完全な植物遺体の堆積物で、ピートとも言われます。
湿った泥のように見え、可燃性があるので燃料として使われます。
右上の写真はこの橋から見た眺めで、これだけ見ていると沼地になっているとは思えませんが近くで見ると水分が非常に多いことがわかります。
このそばに、どのように地質が成り立っているかのショーケースが置かれていて、一見普通の泥に見えるTorfがしっかり形成されているのがわかります。
この辺りの地面を観察すると、上の写真のように苔に覆われた沼地です。
苔には非常に多くの水分が含まれています。
左上の写真はコースの途中にあるHängender Steinという巨大な石です。
Blockheideを思い起こさせます。
右上はリスの食卓として利用された切り株です。
リスが松かさを剥いて、中の種を食べるわけですね。
自然は面白いです!
黄色のWaldwegはこの辺りを大きく1周するコースですが、途中にSchutzhausという木で作られた見晴台があり、そこからこの地域を見渡せます。
左上の写真はWinklauer Teichという大きな池です。
このルートには右上の写真に見られるGemeindeteichというもうひとつの池があり、ここでは泳ぐこともでき、池沿いにはちょっとしたレストランまでもあります。
ここで日光浴をしている人もいましたね。
自然をテーマにしたNaturpark・・・自然公園は散策を楽しみながら自然界の色々なことを学べます。
自然公園moor Heidenreichsteinはお勧めのハイキングスポットのひとつです。