昨日から青空がまた見られるウィーンの街ですが、雲も時間によっては多く現れ、ちょっと不安定です。
それまでは数日間10℃にも達しない気温で、雨も久しぶりに多く降りました。
5月は毎年必ず不安定な天気になります。
気温も15℃前後と空気の冷たさを感じます。
さて、前回はこの時期定番のマロニエを紹介しましたが、今日は紫が印象的な花をお届けします。
こちらはドイツ語でBlauglockenbaum (ブラウグロッケンバウム)、
学名ではPaulownia tomentosa,
日本語ではキリです。
ゴマノハグサ科、キリ属で落葉広葉樹です。
原産は中国の中央から西側です。
日本には古く中国から朝鮮を経由して入って来たようで、北海道の南西部以南で直裁され、もしくは野生化して山地に生育しているそうです。
背丈が20mぐらいまでとかなり高くなり、薄い紫の花を咲かせます。
高いので遠くからでもよくわかります。
ウィーンの街には背丈が高いキリが多く見られますが、右の写真は緑の一角にポツンと植えられているような細いキリです。
でも花は綺麗に咲いていますね。
開花時期は5月で、4cm~6cmぐらいの薄紫色で、下にぶら下がった鐘のような形で、それがいくつも集まって垂直上30cmぐらいまでの高さにたくさん咲いています。
ドイツ語名のGlockeは"鐘"という意味です。
前述したように遠くからでもハッキリわかります。
花は薄い紫の円錐形で、花弁は長さ4~6cmで大きめです。
葉は40cmぐらいと結構大きく、ハート型で表面には軟毛があります。
花が咲いた後には卵型をした実がたくさん見られ、そこから種子がたくさん飛び出します。
古くから良質の木材として使われ、湿気を通さず、軽く、柔らかく、木目も美しいです。
キリは背丈も高く、花の色も綺麗でたくさんの花を咲かせるため非常に印象的です。
こちらでは観賞用として人気があり、たいていの公園に植えられていて、ウィーンでもこの時期多く見ることができます。
写真は2枚共2019年5月6日の16:20頃、ウィーン19区のGymnasiumstraßeで撮影したものです。
余談ですが、私はこのGymnasiumstraßeに13年ぐらい住んでいましたので、自分にとっては懐かしい場所です。