オーストリアはヨーロッパアルプスを大きく横たえて持っているという地形の特徴があります。
ウィーンは荘厳な建造物が建ち並ぶかつての帝国の都ですから、ウィーンの街中にいる限りアルプスがあるということすら意識しません。
でもちょっと郊外に足を延ばすと豊かで美しい自然に出会えます。
地元の人はこの豊かな自然をそれぞれのペースで楽しんでいます。
散歩、散策、ハイキング、トレッキング、本格的な登山・・・様々です。
うちは自然が大好きなので、仕事の合間をぬって郊外によく出かけます。
たいていハイキングや散策と組み合わせて、その地域の郷土を楽しんでいます。
この前ちょっとしたハイキングをするためにヴァッハウ渓谷に行きました。
ドナウ河の最も美しいヴァッハウ渓谷は個人的にも大好きな所ですが、皆さんに御案内する時はメルク修道院を見学し、昼食を食べてドナウ河クルーズ、そしてデュルンシュタインをちょっと散策というのが一般的です。
家族と個人的に行く時には、ヴァッハウ渓谷のそれぞれの古い街のどれか1ヵ所、ないし2ヵ所ぐらいを訪れます。
今日はヴァッハウ渓谷のWeißenkirchenのハイキングコースを紹介します。
Weißenkirchen(ヴァイセンキルヒェン)はヴァッハウ発祥の地と言われ、ドナウ河の下流に向かって左岸にある街です。
船下りをする場合はここはたいてい通り過ぎるだけで、船から街にあるゴシック様式の印象的な教会をちょっと眺めるだけ・・・というあっけなさがありますが、830年にはWachauの語源である"Wahowa"という名称が確認されています。
この古い街のぶどう畑を見下ろしながらのハイキングコースは街の中にある駐車場から始まります。
ここに車を停めて、早速街の中を通りながらドナウ河とは反対側の自然へと向かって行きます。
駐車場のそばからその印象的な教会が見えています。
船から見る角度とは全く違いますね。
この教会は Pfarrkirche Weißenkirchenで、1000年頃には小さな礼拝堂として登場しています。
最初は街中を通って行きますが、すぐ後ろにはぶどう畑が広がり、ハイキングコースもアスファルト化されたルートから自然の道に入って行き、同時に標高が高くなっていきます。
ヴァッハウ渓谷はワインの名産地で、このWeißenkirchenも周りはぶどう畑です。
本当に長閑で気持ちいいコースです。
ヴァッハウ渓谷界隈だけでも100を超えるハイキングコースがあり、見所も数え切れません。
コースの途中にはこのような案内標識が立っていて、ここから車だと数分で行けるデュルンシュタインまでもハイキングコース経由だと5時間15分もかかります。
このハイキングコースの途中の高い所からぶどう畑やドナウ河を見下ろせる写真スポットがいくつもあります。
ずっと奥に見えている街がデュルンシュタインです。
こちらはWeißenkirchenの街を全体的に見下ろせます。
いい景色です。
街と言っても人口1.500人に満たないですから集落のような感じです。
ヴァッハウ渓谷はこのような小さい街が点在しています。
このハイキングコースは"Panoramaweg Achleiten”という名称で、長さ3.64km、標高差は209m~331mで歩くだけなら90分もあれば1周できます。
でもこのような所はのんびりと自然を楽しみながら歩きたいです。
うちはこの時3時間ぐらいかけて楽しみました。