ウィーンは415㎢とかなり広い街で、東京と同じ23区で成り立っています。
東京は市がたくさんありますが、ウィーンはウィーン市が23区に分かれているわけですね。
公共交通機関として地下鉄、路面電車、路線バス、国鉄があり、ウィーン市民の、そして観光客の重要な足として広いウィーンの街を網羅しています。
ちなみにウィーンの公共交通機関は世界で5本指に入る営業距離数を持っています。
私もほぼ毎日地下鉄や路面電車を利用していますが、先日地下鉄1号線(U1)の乗っていたらちょっと面白いアナウンスが流れました。
地下鉄がホームに停まって乗客が乗り降りすると扉が閉まるわけですが、それぞれの扉の上にはちょっとした警告ランプがあり、それが音を出しながら点滅し注意を促します。
その際に駆け込み乗車をすると扉のセンサーが"(elektronische Türfühlerkanten)が反応して扉が自動的に開くわけですね。
これが起こると地下鉄の出発が遅れることになり、多くの乗客に迷惑が掛かります。
この時に地下鉄の運転士が「駆け込み乗車はおやめ下さい、電車の出発を妨げてますよ」と車内アナウンスを流すことがあり、その時には駆け込み乗車をした人が、車内にいる他の乗客からかなり冷たい視線を浴びることになります。
このようなことは日常よくあります。
ウィーン市交通局では安全性からも駆け込み乗車を禁止していることは皆さん知っているはずですが、次の電車が来るまでの待ち時間がもったいないのでついつい駆け込み乗車をする人がいるわけですね。
年間を通してこの車内アナウンスを聞きます。
さて、地下鉄に座ってシュテファン大聖堂方面に向かっていたある日の朝7:30頃、車内は多くの通勤客でそこそこ混んでいました。
誰かが駆け込み乗車をしたので、すぐに運転士から以下のような車内アナウンスがありました。
"Sie verzögern die Abfahrt, der nächste Zug kommt in 2 Minuten.
Mir ist es egal, ich bin schon in der Arbeit ! "
***電車の出発を妨げています、次の電車は2分後に来ますよ。
私はもう仕事についているので、どうでもいいですが***
このアナウンスに車内に笑いが起きました。
私も思わず笑ってしまいました。
ユーモアがあるとも解釈できますし、皮肉にも聞こえます。
駆け込み乗車をしたことにより、電車が遅れて出発せざる負えない、その分皆さんも仕事に遅れるんですよ、私はもう仕事をしているので関係ないですがね・・・
このニュアンスにウィーンを感じますね。
でもきっとこの運転士さんは悪気はないと思います。