今日は知られざる美しい中庭風景シリーズです。
普通に街中を歩いているとあまり気付きませんが、どの建物の中にも中庭があり、外とは全く違う空間を演出しています。
入れそうな所は思い切って立ち入ってみましょう。
きっと多くの発見があります。
前回の知られざる美しい中庭風景64では、ウィーン旧市街とシェーンブルン宮殿を取り上げました。
今回は旧市街です。
こちらはちょっとモダンな雰囲気がする中庭空間です。
白を基調にした壁の色がとても綺麗ですね。
この建物は最近修復が終わりました。
もっとも外側の古い壁を剥がして、新しくしましたので、建物自体は古いままです。
2階から上はウィーンで典型的なパヴラッチェン構造を見ることができます。
パヴラッチェンの床はいかだのように木が並べられているのではなく、完全に塞がった廊下のようです。
1階部分はルネッサンス的なアーチも見られます。
この場所はBäckerstraße2番地です。
この界隈は歴史的に重要な建物が多く立っています。
古い部分は中世後期から存在し、17世紀前半に現在の姿になりました。
18世紀の始めにバロックの装飾が施されています。
Zeltschneiderisches Hausという名前がついています。
こちらはどこだかわかりますか?
ウィーンの旧市街を隈なく歩いている人はどこだかすぐわかると思います。
今日のテーマである中庭空間というとちょっと違っていて、ここは一般の通りです。
こんな中庭空間のような通りがウィーンには多くあります。
ここは旧市街一角のJesuitengasseで、イエズス会通りです。
前に出てきたBäckerstraßeのすぐそばです。
右側に見える壁がイエズス会教会で、ウィーンでも重要な教会のひとつです。
ここは建物と建物が接近していて、真っすぐな道が向こう側まで伸びていて、細長い中庭空間のように見えます。
実際にここに来ると中庭空間でないことはすぐにわかりますが、中庭を通り抜けながら歩くような気持になる風情ある路地です。
地面には石畳が綺麗に敷かれています。
旧市街地の中でもこの界隈はいつもひっそりとしています。