アーチの奥に見える風景 23

ヨーロッパの建造物の多くにアーチ構造が見られます。

アーチ構造は非常に古く、紀元前5000年頃古代メソポタミアから、そして古代ローマ、ヨーロッパ中世のロマネスク、ゴシック、近世のルネッサンス、バロック、以降色々な時代に登場してきます。

ウィーンの街も歩けば建物に色々なアーチが使われていることがわかります。

 

このテーマは気が向いた時に不定期で話題にしていますが、前回からまた時間が経ってしまいました。

 

こちらはアーチを通してのんびりとした外の景色が広がっているのが見えます。

水準からしてちょっと高い所にいることが想像できます。

この建物の色からすぐにわかるかもしれませんが、ここはメルク修道院の中庭です。

メルク修道院は断崖の所に建てられていて、修道院のバルコニーから見たメルクの街並みとドナウ河の眺めは印象的です。

ここはそのバルコニーの下にあるちょっとした中庭空間で、教会を見学した後にここを通ります。

 

メルク修道院は重要なバロック建築ですが、このアーチに限ってはあまりバロック的には見えないかもしれません。

 

 

ここはどこでしょうか?

よく見ると右側の通りの名前が掲げられていますね。

ウィーンに詳しい方であれば通りの名前など見なくてもここがどこだか想像がつくでしょう。

ここはSchulhofです。

Schulhofはウィーンの有名な広場Am Hofから行くのが一番分かり易いでしょうか。

ここは1421年に暴力的なユダヤ人迫害があるまでは、ユダヤ人居住区に属していました。

 

 

このアーチの右側には堂々としたバロック様式の正面構造を持つアム・ホーフ教会があります。

このアーチの奥右側に見える建物はその教会です。

 

この場所はさらに、映画「第三の男」でハリー・ライムが逃走するシーンでも登場します。

石畳がずっと奥に続いている情緒あるウィーンらしい光景です。

 

 

 

 

 

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