12月も半ばに入り、ウィーンの街にはクリスマスツリーを売る業者が出始めました。
クリスマスツリーが街中で売られ始めると、クリスマスはすぐそこまで来ているという意識が強くなりますね。
11月半ばから始まったクリスマスの雰囲気がもっともっと現実的になると同時に、クリスマスプレゼントを買おうとする多くの人が忙しそうに街を歩いています。
さて、今年はすでにシュテファン大聖堂のクリスマス市、市庁舎のクリスマス市、シェーンブルン宮殿のクリスマス市、ベルヴェデーレ宮殿のクリスマス市、Spittelbergのクリスマス市、カールス教会前のクリスマス市、Schloss Hofのクリスマス市を紹介していますが、今日話題にするFreyung(フライウング)のクリスマス市も地元では人気があります。
Freyungのクリスマス市は"Altwiener Christkindlmarkt"(アルトヴィーナー・クリストキンドルマルクト)という名称でFreyungという旧市街地の広場で開かれています。
このFreyung (フライウング)はハプスブルグ家の前のバーベンベルク王朝時代にウィーンに宮廷を移したハインリヒ2世が、アイルランドからベネディクト会の修道士をここに呼んだ1155年から存続している歴史あるショッテン修道会と付属教会がある美しい広場です。
ここはかつては "Gegend bei den Schotten" (ショッテン修道会わきの地域)と呼ばれていました。
ドイツ語で現在のスコットランドはSchottlandと呼ばれていますが、Schotten は当時はアイルランドを意味していました。
Freyungという名は、このショッテン修道会に属したこの場所は、街からの行政が及ばない治外法権的な場所だったようで、ここに来れば自由になれる・・・ということから由来しています。
1710年からこの場所は「Freyung」と名付けられました。
この広場は二等辺三角形のような形で、周りにはショッテン教会だけでなく、多くの宮殿が立ち並んでいるウィーンらしい美しい広場です。
このショッテン教会側の限られた場所に屋台が立ち並び、この中は外界から完全に離れた別世界を形成しています。
2本の通りがあり、それぞれに小さな屋台が並び多くの物が売られていて、通り抜けるだけでも楽しいです。
もちろんここでも一番混んでいるのは右上の写真に見られるプンシュ屋台です。
地元の人がこの美しい歴史ある場所でクリスマスの空気を楽しんでいます。
クリスマス市の本来の楽しみ方です。
このFreyungは歴史ある美しい建物に囲まれ、その建物のライトアップも素晴らしい演出をしてくれます。
このようなこじんまりしたクリスマス市の方がより"地元"を感じます。
大きなクリスマス市もそれなりにいいですが、地元の人はこのようなこじんまりした静かな雰囲気で、しかし歴史を感じる美しい街並みのクリスマス市を好む人が多いですね。
私も個人的にここのクリスマス市は好きです。