ウィーンでおいしいKaffeekonditorei (ケーキ屋さん)と言えば、個人的にはハイナーが一番好きですが、オーバーラーやラントマン、カフェ モーツァルトといった有名店にもよく行きます。
ウィーンでケーキと言えば真っ先にザッハートルテが思い浮かびますが、オリジナルと伝統にこだわるのであればやはりホテルザッハーかデーメルでしょう。
でもザッハートルテがウィーンで一番おいしいケーキというわけではないと思います。
ザッハートルテと並んでウィーンで人気のある定番トルテのひとつとしてはApfelstrudel (アプフェルシュトゥルーデル)も外せません。
場所によって味が結構違うApfelstrudelはいわゆるアップルパイで、日本の団体ツアーの食事のデザートでもよく登場します。
シェーンブルン宮殿のカフェRESIDENZの地下ではApfelstrudel SHOWが定期的に行われているので、これがどのようにしてできるのかを実際に見ることができます。
ここでは特別に予約を入れれば、見るだけでなく、実際に作ることができます。
今日は日本の学生の皆さんがここでApfelstrudelを作った時の模様を少しお伝えします。
こちらがカフェRESIDENZの地下にあるStrudelshowが行われている空間です。
Strudelshowより帽子とエプロンが手渡され、それを身に着けて実際に作ります。
自分で作る前に、実際にここの係が実演も兼ねて説明します。
学生の皆さんが係がいる正面テーブルを囲んでいるのが見えますね。
ここで一通りの流れを聞いたら子今度はそれぞれの場所について自分で作るわけです。
Apfelstrudelの生地と中身は事前に用意されていますが、生地は自分で伸ばさなければいけません。
材料は生地、ひまわりの種からのオイル、リンゴの中身、シナモンと砂糖を混ぜたもの、乾しぶどう、バターと卵を混ぜたもの
この時はある製菓学校の学生の皆さんだったので、将来パティシエになろうとする若者達ですから、手つきはもうプロ並みです。
ここで1人が作るApfelstrudelは店で食べるような1人分ではなく、細長い大きな棒のようなものです。
生地をなるべく薄く、弾力性が失われないように注意深く伸ばすわけですね。
ウィーンのApfelstrudelの生地は、生地の下に新聞を置いて、新聞の字が生地を通しても読めなければいけない・・・というのは有名な話です。
和やかな雰囲気でApfelstrudelが作られたらいよいよオーブンに入ります。
200℃のオーブンに入れて約20分です。
自分で作ったApfelstrudelが焼かれている間は、シェーンブルン宮殿の見学をしました。
見学後、ここに戻って来た時にはものすごくいい香りがしていて、自分が作ったApfelstrudelが配られました。
細長いまま持って帰るのでは不便なので、3つに切られて箱に詰められます。
これはSHOWを見ているよりも遥かに楽しいと思います。
アップルパイ生地の始まりはおそらくアラビアで、そこからエジプト、パレスチナ、トルコまでもたらされ、そこでのレシピが、コンスタンティノープルが占領され、1453年東ローマ帝国が崩壊した後、バルカン経由でウィーンに入って来たとされています。