ウィーン美術史博物館は絵画の質から言ってヨーロッパ3大美術館のひとつに数えられています。
14世紀~18世紀の絵画が主流です。
つまりゴシック~ルネッサンス~バロックというように絵画がいかに発展していったかということを系統立てて見ることができます。
ブリューゲルやルーベンスは世界最大のコレクション、ラファエロ、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ、カラバッチョ、ベラスケス、フェルメール、レンブラント、デューラー、クラナハ、ホルバイン、ウェイデン、メムリンク・・・などなど重要な画家が目白押しです。
仕事でも頻繁に訪れるこの美術史博物館で先日10月2日からブリューゲル展が始まっています。
ブリューゲルは画家の家系で、ここではもちろん一番知られたブリューゲル(父)です。
美術史博物館のホームページでは、ブリューゲル(父)全体で、絵画約40点、60のデッサン、80のグラフィックが世界で知られているということになっていますが、その内約半分が今回見られます。
ウィーンの美術史博物館はブリューゲル(父)の作品を世界で最も多く所有していて(12~13点)、さらに世界の色々な美術館からの契約を取り付けて、全体の3/4(約30点)の絵画が展示されています。
今日はその様子をちょっとお届けします。
ブリューゲル展は2018年10月2日~2019年1月13日の約3ヶ月間、美術史博物館の本来ブリューゲルが展示されていた空間を利用して開催されています。
来年はブリューゲル没後450年にあたり、その記念の大特別展示会で、大変話題になっています。
この準備のために9月はブリューゲルの作品が全く見られなかった日もあり、その時ここを訪れたお客様は気の毒でした。
私もオープン次の日にはこのブリューゲル展を限られた時間ですが訪れました。
美術史博物館の一般入場料は15ユーロですが、ブリューゲル特別展はさらに5ユーロの特別料金が設定されています。
開催期間中は混乱を避けるため、美術館の外に簡易券売り場が設置されていて、一般窓口やグループなだどと分かれています。
そこでブリューゲル展も含めた入場券を購入できます。
ブリューゲル展の入口には特別窓口が設置されていて、そこでもチケットを購入できます。
入場者数を制限しているので、その時の混雑状況によって待ち時間が発生することがあります。
チケットに時間が記されているので、その時間に合わせて特別展に入って下さい。
中は一方通行となっているので、通常のようにまたこちら側から出て来ることはできませんので、出口は反対側の方に設けられています。
もちろん、ブリューゲル展内は自由に行き来することができます。
ちなみに私のような国家公認ガイドが案内する団体ツアーの場合は、有難いことに別の入口が設置されていて、そこから入ることができるようになっています。
展示内容はブリューゲルの絵画、グラフィックだけでなく、細かい描写をしたブリューゲルをさらに感嘆させる拡大図、ブリューゲルがどのようにしてキャンバスを制作し、色を生み出していたか・・・などの技術的な面も強調されて展示されています。
また、彼が絵の中に描き込んだ実物の物も展示されています。
これは時間をかけてじっくり見たいです。
左上は目録です。
右上は細部にわたる拡大図が見られるコーナーです。
去年2017年日本に来たオランダのロッテルダム ボイマンス美術館からのバベルの塔もあります。
個人的にはウィーンの常設展で見られるバベルの塔の方が迫力もあって好きです。
右はイエスを拝みに来る聖三王です。
農民シリーズの空間です。
これはウィーンでいつも見られます。
こちらはバベルの塔2作で、左が上に掲載したロッテルダムから、右はウィーン美術史博物館の大バベルです。
2つのバベルの塔をこのように同じ空間で見られるのは、人生の中で最初で最後かもしれません。
実際ウィーンの美術史博物館はこのブリューゲル特別展示会について、"Once in a Lifetime"と言う見出しで宣伝しています。
私も時間を見つけて何回も足を運びたいと思っています。
是非、この機会をお見逃しなく!