ウィーンの街を歩く時に目安になる建造物として国立オペラ座があります。
ウィーンのい滞在すれば何度となく国立オペラ座を行き来することになると思います。
団体ツアーの場合も国立オペラ座の場所は最も重要な場所のひとつで、フリータイム後の集合場所などにもよく使われます。
通常の観光でもこの"国立オペラ座の写真を撮る"というのが観光内容に含まれていることが多くありますが、ここは是非内部見学をして頂きたいですね。
この国立オペラ座が建築的なことだけでなく、いかに物凄い運営状況であるかということに驚きます。
ここは個人で見学はできませんので、一般ガイドツアーに入る必要があります。
もしくは、私のような国家公認ガイドとであれば待ち時間もなく、お客様だけを御案内できます。
さて、この国立オペラ座の写真を撮る時に多くの方が正面がら撮られます。
正面と言えばリンク道路に面した所ですね。
こちらの写真はリンク道路に面した国立オペラ座を正面から撮影しています。
公演がある時にはこの正面側の入口とその左右の扉から中に入ることになります。
ルネッサンス様式の印象的なアーチ構造が見られますが、この1階と2階のアーチの高さが違うことにお気付きでしたか?
このことが国立オペラ座が当時建設中から批判を生んだ理由です。
国立オペラ座はリンク道路最初の大建造物として、シッカルズブルクとニュルという二人の建築家によって1868年の明治維新の時に完成し、次の年の1969年モーツァルトのドン・ジョバンニでこけら落としがありました。
ウィーンの国立オペラ座は始めからこの場所に建設しようとプランされたので、その与えられたスペースを念頭に建築されたわけです。
19世紀後半のリンク道路は他にもどんどん荘厳な建物が建てられる建築ラッシュの時代であり、オペラ座の周りにも多くの建物が建てられました。
そのためウィーンの国立オペラ座は始めに決められたスペースということと、周りにも荘厳な建物が多くあることもあり、極端に目立つことはありません。
世界の他のオペラハウスはそれだけが目立つように建てられていることが多いため、存在感がしっかりあるわけです。
そこで・・・
前述した2人の建築家はこの事情を十分理解していたので、正面から見てオペラ座が映えるのではなく、斜めから後ろを見通すように見た時に、初めてこの国立オペラ座が荘厳な建造物に見えるように計算されて建築されました。
国立オペラ座を改めて斜めから見て下さい。
どうですか?
国立オペラ座がとても荘厳で堂々と見えますね。
正面からとは全く違います。
私のホームページのスライドショーにも写真は違いますがこの角度からの国立オペラ座の画像を使っています。(笑)
国立オペラ座については以下も御覧下さい。