ウィーンはかつての帝国の都・・・荘厳な建造物が建ち並び、豊かな緑に囲まれた上品で洗練された美しい街です。
街中を歩くだけで充分楽しめますね。
ウィーンに来てシェーンブルン宮殿やベルヴェデーレ宮殿、シュテファン大聖堂を見ない人はいないでしょう。
私の仕事はオーストリア国家公認ガイドですから、毎日色々な場所を御案内するわけですが、観光スポットが中心です。
しかし、ウィーンを始め、オーストリアにはガイドブックに載っていない、しかし地元ではよく知られているスポットが多くあります。
そのような場所は観光ではまず訪れることがなく、しかし歴史的、自然的に重要で興味深い所が多いんですね。
ということは地元人だけが訪れる所です。
アメジストの世界などはそのいい例です。
今日はまたちょっとおもしろい場所を紹介します。
こちらはBÄRENWALD(ベーレンヴァルト)・・・くまの森です。
名前の通り、熊がここで生活しています。
この場所はウィーン中心部から車で160km程西に走ったArbesbachにあります。
ArbesbachはNiesderösgterreichのWaldviertelにある、人口1.600人程の小さな街で、Zwettlの行政区に入ります。
このBÄRENWALDの入口は左上の写真に見られるように国道沿いにあるのでよく目立ちます。
右上の写真に見られるように、この敷地には7頭の熊がある程度自由に生活しています。
1996年に小さな檻の中で苦しんでしたメスぐまが"VIER PFOTEN Österreich" (オーストリア動物愛護協会)の目に留まったことがきっかけで、その後オーストリアではいくつかの熊が苦しんでいる状況が見つかったため、彼らを救済し、静かに生きていけるためにこのBÄRENWALDが作られました。
このArbesbachに住むKolmファミリーがこの考えにすぐに同調し、この場所を提供しました。
その後、BÄRENWALDはドイツ、ブルガリア、ルーマニアにも作られました。
ここでは熊の行動、自由が尊重されています。
7頭の熊がここで生活をしていますが、この時見られたのは4頭でした。
もちろん7頭いるのですが、"熊の自由性を尊重しているので全く見られなくても御理解をお願い致します"という断り書きが入口にあります。
左上の写真はTomという名前の1頭です。
右上はこのくまの森を散策している途中に見られるもので、くまの足跡と他の動物の足跡の大きさを比較できるおもしろい装置です。
BÄRENWALDですから、入口からちょっと入ればもう森です。
所々で熊に関する色々なInfoが見られます。
例えば1頭の熊が1年間に食べる量と食費について・・・
1.400kgの果物/1.960ユーロ、野菜660kg/1.070ユーロ、パン570kg/270ユーロ、卵30kg/138ユーロ、乳製品70kg/120ユーロ、はちみつ5kg/寄付 などなど・・・1日12ユーロの食費ということになります。
ちなみにオーストリアでは2005年より、Wildtiere(熊、像、トラなど)をサーカスなどで曲芸させることは禁止となっています。
VIER PFORTEではこれに関しても力を注いでいます。
この界隈は美しい風景が広がっていて、ここだけではなくハイキングコースも充実していますので、十分1日過ごすことができます。