ウィーンの国立オペラ座は重要な歴史的建造物であると同時に、ウィーンの中心部の位置関係を把握する上で観光の目安にもなる建物です。
ここでオペラを鑑賞するのもウィーンの楽しみのひとつです。
それとは別にここはガイドツアーの枠で見学することができ、音楽に興味あ方はもちろん、無い方も内部見学することをお勧めします。
国立オペラ座は年間を通して300回近く上演され、毎日ステージを変えているという凄まじい運営状況です。
ここはガイドの説明があった方が断然おもしろいです。
さて、この国立オペラ座の舞台裏事情として過去すでに何回か書いていますが、今日はそのシリーズの5回目です。
国立オペラ座の舞台裏事情1、国立オペラ座の舞台裏事情2、国立オペラ座の舞台裏事情3、国立オペラ座の舞台裏事情4も御覧下さい。
上の2枚の写真は国立オペラ座観客席の天井にあるシャンデリアです。
このシャンデリアはたくさんのクリスタルガラスから成り立っていて、ロブマイヤー製で、重さ3.000kg、1.100個の電球があります。
左と右の写真は別の時間にそれぞれ撮影したもので光の加減で色が違っていますが、右上のシャンデリアの中央部分からは何かが飛び出していますね。
左は通常の状態で何もありません。
これは何でしょうか?
実はこれはシャンデリアのクリスタルガラスを掃除するために使われるエレベーターだったのです。
シャンデリアの中央部分には装飾と一体化したエレベーターが組み込まれていて、クリスタルひとつひとつが定期的に人の手によって掃除されています。
シャンデリアからこのようにエレベーターが飛び出しているのはそうしょっちゅう見られるものではありません。
国立オペラ座は7月、8月の休暇シーズンは公演がありません。
9月から新年度が始まりますので、毎年この休暇時期に国立オペラ座では様々なメンテナンスが行われています。
国立オペラ座のガイドツアーは逆に休暇シーズン中は毎日毎時10:00~16:00と提供されていますので、その時に運が良ければこのような状況を見ることができるわけです。
私は年間を通してかなり頻繁に国立オペラ座の内部案内をしていますが、このシャンデリアのエレベーターがこのような状態になっているのはそう多くは見ていない気がします。
プールの飛び込み台のように飛び出している部分がありますね。
ここに人が乗り、回転してシャンデリアをまんべんなく掃除することができ、シャンデリアの外側にあるクリスタルまで手ちゃんとが届くわけです。
この国立オペラ座については何回か話題にしているので興味ある方は以下も御参照下さい。