ウィーンの街中や郊外には個性ある標識が立っています。
普通に歩いていると気付かないこともあったり、意識せずに通り過ぎてしまうことがほとんどです。
こちらは地下鉄などの出口案内を見ると"アイコン"的表示で、何がどちらの方向にあるかということが視覚的に分かり易くなっています。
でも時として、慣れていないとそれが何を意味しているか一瞬考えさせられることもよくあります。
さて、このコーナーでもおもしろい標識、乗馬禁止、サラマンダ―注意、自転車禁止、公園にある禁止標識、そり禁止標識などいくつか話題にしていますが、今日はウィーンの街中にある標識です。
右の写真を御覧下さい。
ウィーン旧市街の一角に立てられている馬車禁止標識です。
御者が荷車に乗っていて、それを馬が引っ張っているように描かれています。
実際にはウィーンの旧市街に荷車を引っ張っている馬車は走っていませんので、これはFiaker(フィアカー)禁止と解釈することができます。
Fiaker(フィアカー)とはウィーンの街に溶け込んでいて、なくてはならない観光用馬車です。
ウィーン旧市街の王宮や石畳の小路などを走っていて、ウィーンの街によく合います。
ウィーンに来たら是非乗ることをお勧めしたいです。
フィアカーは王宮の英雄広場からミヒャエル広場へ抜けるルートや、グラーベンを横切るなど、普通の車では走ることができない場所も走ることが許されています。
逆にこの標識に見られるように禁止の場所も決められています。
ここはどこかというと・・・
御覧のように右側に馬車禁止標識が立っていますね。
ここは最近道路の舗装工事が終わったHerrengasseです。
この通りはミヒャエル広場からSchottentorを結ぶ通りで、ローマ時代はLimesstaraße(リメス)・・・別名Grenzwall(グレンツヴァル)でした。
Limesは駐屯地を中心として防衛範囲をもつ部隊配置のことで、"境"の役割がありました。
古代ローマでは1世紀終わり頃から建設が始まっています。
このHerrengasseには名前から想像できるように多くの宮殿が立ち並んでいて、一角には有名なカフェツェントラルがある洗練された通りです。
ここから先はフィアカーが通行できないというわけです。
このような標識も興味深いですね。