オーストリアは農業も盛んで、食糧自給率は100%と言われています。
ウィーンを離れて郊外を走ると多くの畑が広がっています。
ウィーンの街にだってウィーン市の畑があります。
スーパーなどで日常の食料品を買う時には地元の多くの人はオーストリア産のものを購入する傾向があるようです。
色々な面でしっかりしているオーストリアですから、自国産の食材が一番安心ということでしょうか。
でもこれはわかります。
EUの関係上、周辺諸国からの多くの野菜や果物も並べられていますが、オーストリア産と比べると値段は安めです。
最近はBio嗜好で、値段は高くても健康や環境を考えてBio食材を買う人も増えています。
うちも野菜、肉、卵などは全てと言っていい程Bioです。
味が違いますし、おいしいですね。
さて、オーストリアの郊外を走れば長閑な畑を多く見ることができますが、ウィーンの街中にも小さいですが多くの畑があることに気付かれましたか?
今日はその一場面について触れてみます。
上の写真はウィーン2区の一角であるObere Augartenstraßeです。
ここはBundesugarten(国が管理する庭園)のひとつであるAugarten(アウガルテン)という52haもある大きな公園があります。
ウィーン少年合唱団や磁器工房のアウガルテンもこの一角にあることで有名です。
そのアウガルテンの大通りに面してかなり広範囲で畑が作られています。
このような街中にある畑はUrban Gardening(アーバン ガーデニング)と呼ばれています。
Urban Gardeningは公共の場所での家庭菜園で、ウィーン市内だけでもこのようなコミュニティーが60以上も存在しています。
国やウィーン市が場所や苗床を提供し、希望者が野菜や果物などを植えて管理するわけです。
街中にこのような菜園場所を作ることにより、花やハーブ、野菜が街中にもたらされ、緑が多くなることにより空気も良くなり、自給自足が実現し、自然界の生き物にもいい影響を与えます。
このAugartenはÖsterreichische Bundesforste(ÖBf)の管轄で、120の場所が提供され、花、ハーブ、野菜が栽培されています。
ÖBfは1921年の設立で、オーストリア共和国に属する株式会社で、850.000ha(その内510.000haは森林)の自然を管理しています。
オーストリアにはこのような街中の菜園場所や、集合住宅の中でそこの住人達によって管理されている限られた菜園場所などが多く存在しています。
これだけ見ているととてもウィーン市とは思えませんね。
この場所は中心のドナウ運河沿いにあるSchwedenplatzから1kmぐらいしか離れていません。
写真では見えませんが、左側は車が走っている大通りです。